ルフィの成り代わり 13【ワンピース】 (ページ5)

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彼女は意識を取り戻したが、ジンベエの心配した通り、戻った意識は彼女に地獄を見せ続けた。
何をしても、彼女の脳裏にはエースが死んだ時の映像と、エースの言葉が繰り返され続けた。
自分をかばって飛び込んでくるエース・・・、赤犬のマグマがエースの体を貫いた瞬間・・・、(ごめんなァルナ・・・ちゃんと助けてもらえなくてよ・・)そう言って倒れこむエース、エースを抱く彼女の手にべったりとついたエースの血・・・。
どうやってもその血は手から拭えず、エースが殺される瞬間の映像が止まることはなかった。

彼女は狂ったように叫びながら、残像から逃れようと走っても、どんなに体を痛めつけても、悲惨な記憶は消える気配もなく、何日も苦痛と苦悩の日々が過ぎていくだけだった。

ジンベエは、ローに処置してもらった傷が開くと死を免れない事を知りつつ、そんな彼女を見守るしかなかった。だがジンベエの耳にエースの声が聞こえる。(おれが死んだら、妹のことを気にかけてやってくれよ)と。
このまま、彼女にエースの後を追わせるわけにはいかなかった。それがエースとの約束だから。

意を決したジンベエと、シャンクスは、彼女の前に立った。
ジンベエとシャンクスの姿を見た彼女は鋭い眼光でジンベエとシャンクスを睨むと、聞きたくない、何も言うなと首を振った。
わかっているのだ。これが紛れもない現実であることを・・・・。

【シャンクス・・・頭ではわかってるのに・・・目の前で・・・エースが死んだと思ったら・・・辛いんだよ！！大切な兄エースは死んだ？そうだろ！！お父さんも・・・】

赤髪「ああ、死んだ！もう傷つけるのはやめろ、な」

彼女は泣いた。大声をあげて泣いた。エースが死んだ事に、兄妹がもういないことに、泣いて泣いて泣いた。そんな彼は彼女を力いっぱい抱きしめた。