息切れが激しくて。 (ページ4)

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那須side

直ぐに見破られた嘘。
なんで気づいたんだろうか。
それなりに元気だよ、心はね。
身体は疲れに疲れまくってるけど。
けど、何故か浮所といると、
身体が火照ったように疼くんだよね。

那須「...まあ、いいや」

荷物を纏めて、楽屋を出た。
仕事場から出るまでに、
チョーカーを付けている人と何度もすれ違った。
ああいう人が芸能界でいう、Ωの人。
大体が優しい人か、狂ったような人。

那須「...疲れた」

この生き方は疲労が激しいのだ。
いつも笑顔でいなくちゃいけない。
家に来られたら、薬がバレる。
αとはあまり二人きりはダメ、とか。

那須「...あ、もしもし？」

龍我『今日大丈夫だった？辛そうだったけど』

那須「全然平気だよ、どしたの？(笑)」

...平気なんかじゃないよ。
龍我は世にΩだと公表している優しい人だから、
つい自分も本性を曝け出したくなる。
でも、チョーカーはしてない。
大切な番がいて、項に噛み跡があるから。

那須「...幸せそうだね、龍我」

龍我『...那須は不幸せにみえるよ』

龍我『...はやく報われますように』

風の音で聞こえが悪かった。
なんて言ったんだろう。
聞き返すのはなんだから止めておこう。

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