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キャプテン・クロ ページ32

【ヤソップは立派な海賊だぞ】

との言葉に、ウソップは嬉しかった。息子の自分が知らない父の姿を、彼女が知っている事は少々複雑であったが。






だが、喜んでばかりはいられない。
カヤの屋敷に出入りできなくなった事は、悩みの種だった。
あの執事がな・・・・と思った時、自分達の居る崖のすぐ下に、その執事が居る事に気付いた。
執事は、ハートの眼鏡をした怪しい男と、何やら密談を交わしている。

「それで・・・計画の準備はできてるんだろうな」

「ああ、もちろんだ。いつでもイケるぜ。お嬢様暗殺計画」

よくよく聞くと、二人はカヤお嬢さまの暗殺計画を企ていることを知り、ウソップと彼女は驚いた。



ハート眼鏡の怪しい男は、クラハドール執事の事を、「キャプテン・クロ」と呼んでいた。
キャプテン・クロと言えば、計算高い略奪を繰り返す事で有名な海賊だった。




二人の男の話しはこうだった。
3年前に海賊を辞めたキャプテン・クロは、身代わりを処刑させて、世間にキャプテン・クロ
は死んだと思わせておいたうえで、金持ちから自然に怪しまれずに財産を奪う計画を実行していた。
その狙われた金持ちが、この村のカヤの家だった。
両親のいないカヤに、催眠術で財産を執事に譲ると遺書を書かせて、事故死にみせかけて殺すというのだ。
事故とは、たまたま上陸してきた海賊達に殺されること。
その遺書が疑われぬよう、クラハドールはこの3年で、村人達からの信頼を得ていた。

カヤが殺され、村も襲われる、この恐ろしい計画を聞いてしまったウソップは、青ざめた。

33→←グランドール



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作者名:WinWin x他1人 | 作成日時:2021年3月9日 10時

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