32:2回目 ページ34
佳那ちゃんが泣いていた。
その事実に呆然とし、ハッとして走り去っていった佳那ちゃんを追いかける。
部署に戻っても佳那ちゃんの姿は見えず。
肩で息をする僕にうらたんが話しかける。
「ぅお…どうしたセンラ。」
「うらたん…佳那ちゃんは？居らんの？」
「市来崎？なんか目真っ赤にしてたからの先輩が早退させてたけど…っておい！センラ！！」
“早退”という言葉を聞いた瞬間、さっき走ってきた道を少し戻り出口へ向かう。
すれ違わなかったってことは結構な時間呆けていたことになる。
追いつけるかな、なんて思いながらも僕の足は動き続ける。
＊＊＊
しばらく走り続け、もう追いつけないかと思った頃。
少し先に見覚えのある後ろ姿を見つける。
「っ佳那ちゃん！」
名前を呼ばれ振り向き、僕を認識した佳那ちゃんは慌てて走り出す。
残りの体力を振り絞り必死に走る。
追いついて、腕を掴む。
「っ離して、下さいっ！」
「佳那ちゃんまって、話聞いて！」
「聞く話なんてありませんっ！」
両腕を掴んでこっちを向かせるが顔を背けて腕を振る佳那ちゃん。
『話を聞いて』と言っても聞く耳を持ってくれない。
「佳那ちゃん、ごめん。な、話聞いて。」
「だからっ、なんで謝るんですか！悪いと思ってるなら最初から…！」
「佳那ちゃん。」
「んっ…！」
もう一度『話を聞いて』と言ってもやっぱり聞いてくれない。
だから名前を呼んで、また昨日と同じようにキスをする。
最初のうちは抵抗をしていた佳那ちゃんも、しばらく経つと腕にも力が入らなくなる。
そしてそっと唇を離すと佳那ちゃんは顔を真っ赤にして俯く。
「聞いて。僕、なんとも思ってない人に2回もキスなんてせぇへんから。」
「………うそ。」
「ほんま。会社の子らだって、そりゃ…デートとかはしたことあるけど、それ以上はない。」
「………。」
「さっきは勢いとか、流れとか言ってごめん。佳那ちゃん怒ってると思って…。」
僕がそういうと、佳那ちゃんは俯いたまま黙り込む。
「なあ、佳那ちゃん。…『期待してた』って言葉に、期待してええの？」
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rin.rain.(プロフ) - かん。さん» かん。さんの作品これからチェックしますね！！そんな素敵な作者さんにレスがもらえてこちらこそ光栄です...! (2018年2月6日 21時) (
レス) id: 15ed3460f9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - rin.rain.さん» コメントありがとうございます！“この作品好き”と言ってもらえて感動しております( ；∀；)最後のすれ違いのシーンも結構力を入れたので“切ない”と思ってもらえて光栄です！番外編も更新は遅いと思いますがお楽しみください(*^^*) (2018年2月6日 20時) (レス) id: cd9f88499d (このIDを非表示/違反報告)
rin.rain.(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当にこの作品好きです！「期待してた」の流れが本当にすれ違いが切なくて...番外編や違う作品も楽しみにしてます！ (2018年2月6日 20時) (レス) id: 15ed3460f9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 2度目のコメントありがとうございます！センラさんの作品は少ない方なので少しでも増えてほしくてこの作品を作ったんですよね…！楽しんでもらえたなら幸いです！！番外編も頑張りますね(*^^*) (2018年1月15日 17時) (レス) id: cd9f88499d (このIDを非表示/違反報告)
高瀬その(プロフ) - 2度目のコメント失礼します〜！（又此奴かよとは言わないであげてください）完結おめでとうございます！数少ないセンラさんのお気に入り作品でもう本当終始可愛かったです有難うございました！（？）番外編楽しみにしております〜！ (2018年1月14日 23時) (レス) id: 7b6c74a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kaecchi0632/
作成日時：2017年11月25日 0時
