僕のモブ友。【時透無一郎】

5話 ページ7

「あの、時透さん？何この手」

　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ…

「何って……見て分からないの？」

　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ…

「意味が分からないよ。ていうか、やりすぎだと思う」

「何でそう思うの？僕、誰からも注意されてないからいいじゃん」

　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ…

「いくら何でも授業中までそんな、ずっとしなくても……！！」

「嫌だよ。やめてって言うまで僕はからかうつもりだから」

　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ！！！
　
　ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ………………
　ﾅﾃﾞ………
　……

　＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　ﾁｭﾝﾁｭﾝﾁｭﾝ…
　
「…………ぇ、そうやって私のことずっとからかってたのって…あれ？……夢、か」
　

　………………夢でよかった、と思った。

　きっと昨日のことが原因だと考えた。

　まず1つ、頭を撫でられたこと。
　もう1つ、「からかおうとしたのに」という発言。
　
　まさに少女漫画みたいな展開。
　この行為を時透さんが私に対して行われたという点が、ほんとうに有り得なさすぎて驚きである。

「キラキラでとびきり可愛いヒロインのような子にやればいいのに……よりによって何でモブ女の私が。」

　私も思春期の女。恋愛モノに興味が無いことは無い。むしろ好き。キュンとするものに罪はない。
　

　いや、キュンには必ず"ﾀﾋ”が付いてくるものだ!!
　
　世界中の女の子達、ここテストに出します←

　
　
　だけど私がされたことに関しては、超解釈違いに思えた。

「また昨日のようなことは起きないと思いたい…今日もいつも通りのモブとして平穏に………ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ…」

　時透さんに対する戸惑いを持ちながらも、私はダラダラと学校に行く支度を済ませた。

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