僕のモブ友。【時透無一郎】

19話 ページ23

Aさんside

　昨日のこともあって過剰に意識してしまいそうになって、朝から逃げてしまった私。ここは生物室。ちんまりと膝を抱えて、ひたすらに思い耽っていた。
　何やっているんだろう。昨日なんて全然寝られなかったから、思考が変になっちゃったのかな。

「……時透さんは優しくしてくれただけ。
　それだけ……きっと、それだけ。」

　脳裏にあるのはまたあの笑顔だ。
　私とは違う、眩しすぎる時透さんの笑顔が私の暗い心をふわりと包み込んでいく。それが何だか切なかった。

「……あら？えっと一青さん？」

「胡蝶先生」

「ふふふっ、おはよう！
　朝から会えると思わなかったわ〜！」

　胡蝶先生がそう言うと、可憐な笑みをこぼした。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿…………

「……恋ねぇ〜」

「……」

「あらあら」

　(やっぱり恋してしまったんだ)

　思わず胡蝶先生に相談したというのに、自分から言っておいて恥ずかしくなって認めたくなくて、真っ赤っかになって熱い顔を思わず伏せた。

　それでも胡蝶先生は優しく頭を撫でてくれた。

「……恋することはいい事よ一青さん。それに一青さん、先生は貴女が思っている以上にすっごく素敵でかわいい女の子だと思っているわ！自信を持って！」

「……それでも私は時透さんとは釣り合いません。」

「……あのね一青さん、釣り合わないだとか決めつけるべきじゃないわ。そうやって自分の気持ちを押し殺そうとしないで。」

　そう言うと珍しく真剣な顔になった胡蝶先生は、暖かく優しく私の手を包んで言った。

「先生は一青さんに沢山笑って欲しいと思っているわ。時透くんもきっとそれを望んでくれてると思うの。
　大丈夫、時透くんはきっと貴女の素敵なところを沢山見つけてくれる！だって一青さんはとっても可愛いもの！ねっ！」

「…………頑張って、みます…！」

　先生の言葉の暖かさに、私の冷たい心をちょっとずつ溶けていった。

　まだ自信がある訳では無い。

　だけど、初めて感じたこの想いを諦めてしまうのは嫌だと感じた。私は自分に冷たかったんだって気付かされた。
　“モブ友”……私は決めつけていただけなんだ。本当はこんなこと望んでなかったの。

　私をこんなにしたのは時透さんのせい。
　貴方のせいにさせて……こんな私を許してね。


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馬鹿馬鹿しい学園コソコソ噂話を書いて投稿してしまいました…読んでしまった方、見なかったことにしてください…。あれは没です。

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