第24話 ページ24
『今日の授業はここまでです。』
先生の締めくくりの言葉と同時に、部屋を出る用意をする。
そして、授業が終わった瞬間、私は教室を早歩きで出た。
今日こそはビリではない!
そのまま階段を駆け上がり、カフェテリアのドアを開ける。
部屋の一角に目を向けると、そこには、いつものメンバーが、
って!いない!
てことは今日は私が1番?!
やったぁ!
なんせ初めてのの事だったから、妙な幸福感と満足感に包まれた気分。
ふふーん、いつもは遅いって怒ってくる若武にぎゃふんと言わせることが出来るー!
軽くスキップしながら席に向かい、ドヤ顔で席に座る私。
これを一人でやっているので、他から見ればただの変人だろう。
でも私は気にしない!だってはじめての一番だから!
鼻歌でも歌い出しそうだ。
『ブッ!クククククククwww』
ん?
『だぁーッハッwww』
なぬ?!
突然、カフェテリアに響いた笑い声。
私の真後ろから聞こえる気がする!
即座に振り返った私は、なんと運の悪い事だろう。
目の前に、お腹を抱えて笑い転げる若武と、それをなだめながらも今にも笑いだしそうな黒木君、焦りながら私に謝ってくる小塚君がいた。
『フハッ!アーヤ!まじでおもしれぇ!』
『アーヤ、こいつの発案だから。フッ!』
『ごめんね!ほんとに!』
黒木クーン、笑ってるのバレバレですよぉ。
いいもん、どうせ私なんて騙されて馬鹿にされる人生だもん。悔しくなんかないもん!
急に黙り込み、目元をうるうるさせ始めた私に、いきなり慌て出す若武。
『ど、どうしたんだよ!ちょっとからかっただけだろ?泣くなよ。』
ふん!
『アーヤ、ごめんね?可哀想に、俺がいるからね?』
颯爽と私の元へ歩み寄り、背中をポンポンしてくれる黒木君。
『アーヤ、ホントにごめんね。今度こそ1番だと思ったのにね。』
わかりやすくしゅんっと項垂れた小塚君。
『お、俺のせいかよォ!』
未だに下を向いている私に、バツの悪そーな顔を向ける若武は、しばらく黒木君と小塚君の顔を見比べ、深いため息をついた。
そして、私の足元に膝立てをする。
『アーヤ、泣くなよ。俺、ちょっとした悪ふざけのつもりだったんだよ。ごめんな?』
ひとつも曇りない目で、私の顔をのぞき込む。
「許さん、」
『ごめんってぇ、』
そこから、何とか黒木君と小塚君が私を盛り上げてくれたのだが、上杉君、忍、翼が来た時には、若武などいないように振る舞う私がいたのだった。
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ナナ - とても面白かったです!!早く続きが読みたいです!! (2月9日 8時) (レス) @page44 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
悪役ですが何か?(プロフ) - 花君と翼の絡み、すっごい良かったです!!あなたは、神か!? (2023年4月8日 6時) (レス) @page44 id: 80363cd358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして!いつも読ませていただいています。すごく素敵な作品でした。更新お待ちしています。 (2021年4月2日 15時) (レス) id: 7efce59d5b (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 花君が誰か分かったとき、あの時のカラス!!といっていて面白かったですwwそれと花君が言っていた「あのムカつくマスク野郎もいたけど、」のとこも面白かったし、第39話の若武?かな?が「うえっほん、それで、続きを話してくれ」のうえっほん!が一番面白かったですww (2021年4月1日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ(プロフ) - 未胡成@定期的に病むさん» ある意味危ない展開になってしまった、、。翼を動揺ってなるとこれしか思いつかなかった、笑 (2020年4月28日 9時) (レス) id: 1c8e88b554 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニコニコ | 作成日時:2018年8月17日 0時