同窓会【跡部景吾】 ページ6
貴方に会うのが、久しぶり過ぎて、何を話せばいいのかも、私にとっての貴方も、何もかも、忘れていました。
『久しぶり！景吾くん！』
頑張って笑ったよ、優しい貴方に、心配かけないように。
「アーン？久しぶりじゃねえの、A」
貴方は何時も、輝いてる。
自分が汚れて見えるくらいに。
『景吾くんの結婚式以来だね』
私と貴方は、跡部景吾は、氷帝学園の初等部で同じクラスだった。
キラキラして誰よりも輝いていた貴方は、私にとっての王様で、憧れだった。
でもそれは私だけじゃなくて、貴方は皆が憧れる、
私は中学校は氷帝じゃない別のところに行った。
初等部の頃の私は弱く、醜かった。
それでも貴方は私の側に居てくれた。
嬉しくて、私もずっと貴方の側にいた。
貴方の隣は、貴方の側にいることは、私だけの特権だと思っていた。
けど、それは違った。
“紹介するぜ！俺の彼女だ！”
別に貴方の彼女になりたいわけじゃあ無かった。
でも、貴方の側にいるのが私じゃないのが、心の底から憎かった。
『景吾くんとはあれから会ってないけど、元気にしてた？奥さんとはどう？』
私がいなくなってから、中学から入ってきた女が、貴方の隣に立った。
知らない間に、私の代わりになった。
大財閥、跡部財閥の跡取りが、何処かの御令嬢との婚約を破棄してまで結婚した相手。
何で？どうしてそれが、私じゃないの？
「アイツも元気にしてるぜ！ところでお前はどうなんだ？」
『私？私は…元気だよ』
哀しさを隠す為に豪快に煽った酒は、思っていたよりも度が強かったらしく、一気に酔いが回った。
「随分と早いペースで飲んでるみたいじゃねーの！」
『ははっちょっと嫌なことがあったんだ』
貴方の所為ですよ、とは言えない。
二次会まで行って、ベロベロに酔った私に貴方は最後まで付き合ってくれた。
本当は来ないつもりだった。
同窓会も、結婚式も。
貴方に付き合ってる人がいるって知ってから、貴方とは、ゆっくり、疎遠になるつもりだった。
なのに、ずっとかかってこなかった電話が、結婚式のご報告が、あの日きた。
『ねぇ、景吾くん』
「アーン？」
『何で、私を結婚式に呼んだの？』
そしたら、吹っ切れたのに。
「何言ってんだ？俺様の晴れの日にお前がいないなんてあり得ねぇだろ！」
あぁ、貴方にとっての私は、私にとっての貴方だったんだね。
貴方も私を愛してくれてたのね。
さよなら、景吾くん。
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Le-ca(プロフ) - あぷりこっと☆さん» それ分かりますよ！結ばれない切なさって良いですよね。まぁ甘い系苦手なので逃げ口ですけどね(-.-) (2019年10月15日 18時) (
レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆(プロフ) - Le-caさん» ななななんと！そうでありましたか…！そんな感じは微塵もしませんでした！私こそ本当に甘いのは苦手で…。というか、話自体、結ばれるより、結ばれない方が好きなんですけど笑 (2019年10月15日 18時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
Le-ca(プロフ) - あぷりこっと☆さん» ありがとう！私切ない系は書ける←けど甘い系とか苦手なんだよね。 (2019年10月15日 17時) (レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと☆(プロフ) - 新作読ませていただきました！切ないですね…！こういうの大好きです！ (2019年10月14日 23時) (レス) id: 280df3197c (このIDを非表示/違反報告)
Le-ca(プロフ) - あぷりこっと☆さん» コメントありがとうございます！これからも更新頑張っていこうと思います！ (2019年9月19日 21時) (レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Le-ca | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kaduki714/http://
作成日時：2019年9月16日 14時
