最後の雨

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Aとゆうたが別れてから
もともと仲は良かったけれど、

今まで以上に頻繁にAと連絡を取ったり
飯に誘うことが増えた。


下心とかではなく、純粋に友達として二人が心配だから。


撮影が早めに終わって飯に誘ったら
明日仕事が休みだって言うから

少しお酒を飲んで地元の夜道を並んで歩く。



ひゅ「このまえゆうたがさ〜、

　 っと、ごめん、」



いつもゆうたの話題は避けていたのに
うっかり名前を出してしまうと、

Aの動きがほんの少し、
誰にも分からないくらいほんの少し止まった。



「大丈夫だよ。笑
　もう平気。」



そう呟いて笑って見せた彼女。



ひゅ「…お前嘘下手。」



いくら頭の悪い俺でも、強がりだって分かる。



ひゅ「もっとましな嘘つけよ、笑」


「…ごめん。」



涙声で謝って足元に目線を落とした。


Aもゆうたも、変に大人ぶって
分かったようなふりして
もう平気だと嘘をつく。


今でもお互いがお互いを痛いくらい想っているのに
離れることに意味はあるのだろうか。

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