最後の雨

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結局そのあと、撮影の見学をしていたA。

仕事場に彼女がいるっていいなあ、なんて考えて撮った動画。



やま「ゆうたなんか今日調子よくね？」


ゆま「本当ですねぇ、Aさん効果ですかねぇ。」



なんていじられる始末。



ゆた「まあ彼女見てたらそりゃ気合入るわな。」


やま「は！？いつも手抜いてるってこと！？」



俺らのやり取りをにこにこ笑って楽しそうに見ている彼女。

撮影中も声が入らないように小さく肩を震わせて、
笑いを堪える姿が愛おしくて仕方がなかった。




珍しく早い時間の解散で、編集もない。


俺の家へ一緒に変える車内で



「ごめんね、直接言わなくて。」



と言った。

正直一番最初に頼る相手が俺じゃなかったのは
哀しかったし、悔しかったけど

それでもAが俺の隣にいてくれていることは事実だから。


赤信号で止まったとき
空いていた俺の手に彼女の手が重なった。

珍しいな、と思ってAの方に顔を向けると
唇に柔らかい感触。


自分からしてきたくせに顔を赤くしているのが可愛くて仕方ない。


彼女からのキスであっという間に昂ってしまった俺は
アクセルを強く踏んでスピードを上げた。

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