課長がお呼びです。 (ページ27)

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誰とでもやる女。

「昨日はすいませんでした。
徹夜やったけん、寝てしまったみたいで。
申し訳ありません。
ご迷惑かけたので、
朝ごはんを作りました」

この純情そうな笑顔に騙されるな。

「冷蔵庫、勝手に開けたん？」

「すいません。
スーパー、まだ開いてないし、
コンビニ高いし。
それに、方向音痴なので、
外に出ると迷子になるけん」

しゅんてなってもうて、
泣きそうな顔してる。

嘘泣きかもやけど、焦る。

どうしよう。

「別にええねん。
彼女やろ？
何作ってくれたん？」

「あの、課長の冷蔵庫には、
卵とハムときゅうりと、
冷やし中華しかなかったので。
ハムエッグとトーストを作りました。
それときゅうりも切りました」

なんか、微妙にディスられた。

けど、いつものぶりぶりよりええわ。

「うまそうな匂いする。
食べよか」

なんか、一時休戦や。

腹が減ってはなんとか言うし。

「はいっ」

嬉しそうに笑ってくれた。

あかん。

こいつの術中にはまっていきつつある・・・

目玉焼きは半熟で、めっちゃ美味しい。

「料理、得意なん？」

「いえ。普通です。
課長が料理得意な子が好きって、
聞いたので。
練習しました」

言うてもうてから。

ハッてして。

急に慌ててる。

不覚にも可愛ええって思てもうてるし。

「俺、そんなこと言うた？」