課長がお呼びです。 (ページ21)

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「はい、そうですよね」

二人の声が重なった。

断られたとばっかり思い込んでて、
思いっきり同意しちゃった！！

「そうですよねって何やねん。
俺がオッケーすんの分かってたみたいな言い方やな」

ぐいって顔を近付けられる。

「そ、そういうつもりでは」

ひょええ。

めちゃくちゃ綺麗な顔してる。

まつげ長。

たれ目で可愛い。

目の下のほくろが異様に色っぽい・・・

あまりの迫力に。

思わず、目を閉じて、
少し俯いてた。

錦戸課長が、ふって笑った。

嘲るみたいに。

付き合おうって言ったのは、
からかってるだけなんだ。

ひどい・・・

惨めだ。

本気にするなんて。

こんな大人の、
しかも何でも出来ちゃう人が、
私を選ぶなんて。

そんなわけないのに。

目を開けかけたその時。

ふわって。

唇にやらかい感触がした。

え・・・

何これ。

なんで。

えええええっ。

今、私、キスされてる？

されてるよね？

錦戸課長の唇はやらかい。

時々、
ほんの時々、
皮肉にだけど笑ってくれる事があって。

その時の口元が、
あんまりにもかっこ良くて。

いつも釘付けになってた。

その口元が、
私の唇と重なってる。

嘘みたいだ。

キスって、こんなに長いの？

ダメだ。

もう息が・・・

やっと離れたと思ったら。

錦戸課長がにやっと笑った。

「飲みにでも行こか」