第五十五話 ページ16
兄さんは黙ったまま俺を見ていた。
俺は叫ぶのを辞めて、兄さんを見た。
「・・・とにかく、俺はヒーローになる
つもりはありません。」
早く自分の部屋に戻って欲しい。
「なんで、ヒーローになるつもりはねぇ
んだ。そんだけ教えろ。」
「随分と上からですね。簡単ですよ。
・・・ただ単に失望したからです。」
小さい頃に確かにヒーローは憧れだった。
でも、現実を見た。実際のヒーローは、
ヒーローなんかじゃなかった。
「理由はそれだけです。まだ何か？」
早く帰れという意味を込めて兄さんを
睨んだ。兄さんは何も言わずに部屋から
出ていった。
「・・・ふぅ。」
それから1時間後。俺は行動に移した。
必要な物は、本と少しの衣服。あとは
後で買えばいいか・・・。
窓を開ければ、風が入ってカーテンを
揺らした。
今夜は満月か・・・。
隣から物音が聞こえた。面倒になる前に
早く行かないと。
「・・・母さん、父さん。」
こんな親不孝な息子になってごめんなさい
「出久さん・・・。」
こんな幼馴染でごめんなさい。
「光樹っ！！！！！」
そして、兄さん。
「・・・こんな弟で、ごめんなさい。」
俺は窓から自分の身を投げ出した。
『満月』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
村人A(プロフ) - 美弥華さん» 返信遅くなってしまい、すみません。ありがとうございます！ (2019年5月10日 22時) (
レス) id: 25ab0e0509 (このIDを非表示/違反報告)
美弥華 - 物凄く面白くて読み易いですね！続きが凄く気になります！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 1時) (レス) id: 10da490b27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：村人A | 作成日時：2018年10月28日 11時
