のんびり屋ちゃん Ⅲ【テニスの王子様】 (ページ30)

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１０７「おかえり」ページ30

まあ、どうせくじで当たったものだし実際沖縄に滞在するのは1日だけだった。

…お母さん、殆ど寝てただけ…？

飛行機から降り、電車に乗り、…見慣れた神奈川の街が見えてきた。まだ夕焼けには染まってない。

確か水曜日のはずだから…。皆は今頃、部活中かな？

そんな事を思いながら立海中を過ぎ去ろうと思うと、お母さんが言った。

お母さん「4日とは言え、久しぶりでしょ。少し覗いて見たらどうかしら？お母さんは先行ってるから」

「…うん、ちょっと覗いて私もすぐ行くね」

✼

テニスコートのフェンスを見つけ、チラッとコートを見てみた。

「……皆、どこだ…？」

キョロキョロとフェンス越しに皆が出てこないか探していると、ひとつの影が見えた。

その影は私を見た瞬間こちらへ走り出して来た。

「Aぜん゛ぱぁあ゛あ゛ぃ！！」

「…っ赤也！？」

何故かボロボロと泣いている赤也。

ガシャンっと凄い音を立てて赤也はフェンスを掴んだ。

赤也「俺っ海原祭の写真真田副部長が送ったからA先輩が出てっちゃったのかと思って…っ」

…え？

「…幸村くんから、聞いてない？」

赤也「っ幸村、部長は…『Aが行くなんて有り得ない。まさか青学に写真送った事が…？』って言ってて…」

おいおい…。確かにそんなこと言ってたってお母さんが言ってたけれど…。

赤也「先輩、先輩ぃ…」

何故かまた泣きだす赤也。私は我慢しきれなくて、フェンスの入り口へ急いだ。