１０４「縮地法」 ページ27
ささやかな彼なりの優しさを受け取りついて行くと、3分くらいしてからテニスコートについた。
大きな人に細い人に金髪の人に帽子をかぶった人がいた。
皆同じような服を着てるから、この人たちは皆木手くんのチームメイトかな。
そう思っていると、金髪の人がこちらへ駆け寄りそれにつられるように後ろの人も寄ってきた。
？「おーい、永四郎！どこ言ってたさぁ？」
凄い、沖縄弁だ…。
木手「ちょっとしたお散歩、ですよ」
？「ん？後ろにいる女の子は誰さぁ？」
木手「…ああ、そうでしたね。とりあえず貴方も自己紹介しなさいよ」
木手くんにそう言われ、そっと前に私は出る。
「立海大3年小鳥遊Aです…」
？「立海ぃ！？」
？「神奈川から遥々ここまで来たなんてすごいさー…」
？「いやいや、絶対筏じゃなくて旅行かなんかやっしー」
木手「皆さんも自己紹介しなさいよ、じゃないとゴーヤ食わすよ」
…ゴーヤ？あのゴーヤ？
？「それだけは勘弁！…ああ、俺(わん)は平古場 凛。ゆたしく(よろしく)」
？「俺(わん)は甲斐裕次郎さぁ」
あ、甲斐くんってこの人かあ…なんか犬みたい。
？「田仁志慧さぁ、うちなーは良いとこやっしー、楽しむといいんば」
？「知念寛さぁ、田仁志の言う通り言う通り」
一通り自己紹介が終わると木手くんが言った。
木手「そうそう、甲斐くん。彼女は迷子なんです。それで原因がこの猫なんですが…」
甲斐「あっ！この猫、俺(わん)がよく遊ぶ猫さぁ！」
木手「やはりそうでしたか…この猫、どこから来たか分かりますか？」
甲斐「ああ！あそこの海に近い家やっしー。ってあー！！」
甲斐くんが急に叫び、驚くとなんと猫が走って逃げていた。
「ど、どうしよう…猫に追いつけるかな」
田仁志「そう言いながら凄い冷静さぁ…」
「そ、そんなことないヨ…」
知念「カタコトになってるやっしー」
でもホントにどうしよう。そう思いながらとりあえず走り出そうとすると、木手くんが1歩踏み込んだ。
「！？」
するといつの間にか猫を抱えた木手くんが私の前にいた。
平古場「ナイス永四郎！」
「しゅ、瞬間移動…」
木手「縮地法、というものですよ…って貴方知らなかったんですか？」
「うん…」
木手「そちらの柳くんなら知ってると思いますからつい貴方も知ってるかと…」
「柳くんのデータが暗記力無しの私に受け継げるとでもお思いで」
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作者名：ガブちゃん | 作成日時：2018年5月22日 22時
