結ノ呼吸の結柱

番外編:冨岡 ページ50

結闇side

『冨岡さん！お話とはなんですか？』

今日は何故か冨岡さんに呼ばれた。


「(俺の昔の)話だ」

『？？無理して話さないでください！』

「いや、聞いて欲しい』

聞いて欲しいなら、断る理由がない。

『はい！！』

「俺には姉がいた。名前は冨岡蔦子……。

鬼に襲われた俺を庇って死んだ。その日は結婚式の前日だった。蔦子姉さんは、楽しみにしていたのに。

俺はその時助けてくれた鱗滝さんを育手として、鬼を許さないと誓い、鬼殺隊に入隊した。

鱗滝さんの所には、錆兔と言う子がいた。

二人と一緒に修行をして、選別に向かった。


選別には、手の沢山ある鬼が居た。

俺は攻撃を受けてしまい、動けずに居た。

すると、錆兔は助けてくれた。

錆兔は近くの奴に俺を任せると一人で行ってしまった。


……………その時選別で命を落としたのは錆兔一人だった。

ほとんどの山の鬼を錆兔が斬ったそうだ。」


……嘘でしょ………

冨岡さんはそんなに失ったの…？？


『そんな……』


「本当だ。知っているのはお館様くらいだろう。」


儚い笑顔を向けた。

『やめて。やめてください。"義勇"さん』


「！？名前……」


『そんな笑顔向けないでください。

今すぐ消えてしまいそうな脆い笑顔、やめてください。』


「すまない」

『大丈夫です。私は居なくなりません。

約束です。』


「嗚呼……」


あのあと、冨岡さんは泊まっていけと言った。

私は、失礼だと承知ながらも断った。


そんな過去があったなんて……



私は深く暗い海の底に沈んだような気分だった。









ーーーー作者からーーーーー

続編に移行します！

結ノ呼吸の結柱2

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