一つの願い ページ43
結闇side
この後、カナヲさんを蝶屋敷まで送って屋敷に帰ろう。
『さ、帰ろう。送って行くね。』
「はい。」
カナヲさんは終始にこやかな表情だった。
お饅頭などを食べて居たのは、任務地より少し蝶屋敷よりのところだった。
『またね。あ!何かあれば鴉で!屋敷に来ても大丈夫だし!』
「はい。今日は本当にありがとうございました。」
『いいえ、気にしないで。良い夢を。』
「A様もお体に気をつけてください。」
気遣いの出来る子…!!
私は、頷いて蝶屋敷に背を向けた。
「カナヲを、ありがとうございました」
『あら、しのぶさん?』
「任務帰りで…」
『なるほど!
あ…あのね、カナヲさん、1人で戦ってたの。
継子だから強いんでしょ?って。』
「そうなんですか……」
『カナヲさんからは、言わないと思ったから…』
「わかりました。それでは、夜道に気を付けて」
『ええ!ありがとう。しのぶさんも気を付けてね』
「はい!!」
日が沈むと思い出す。
あの時を。生き地獄を。
目が覚めたら心配になる。
仲間が居ないかもしれないと。
また、あそこに居るのでは無いかと。
嫌な夢ばかり見る。
仲間が私を見て蔑んでいる様子を。
そんな私が嫌で自害してしまう未来を。
そんな事を考えてしまう自分自身が嫌いなんだ。
それでも、カナヲさんは、しのぶさんは、私と一緒に居てくれる。
だから、ずっと好きなんだ。
私には願いが出来た。
仲間には…
鬼の居ない世界で笑って欲しいんだ。
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結梅(プロフ) - 通りすがりの村人Aさん» ありがとうございます! (2020年11月24日 21時) (レス) id: 1228fc8387 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの村人A - すごく素敵な話ですね!これからも読ませて頂きます★ (2020年11月24日 18時) (レス) id: 43feca9756 (このIDを非表示/違反報告)
なな* - 結梅さん» 結梅は…もう…最高! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
結梅(プロフ) - なな*さん» 謝らないで!!嬉しかったから!!面白い!?ありがとう!ななの作品も最高だよ!! (2020年5月20日 13時) (レス) id: 1228fc8387 (このIDを非表示/違反報告)
なな* - なんか、急な物語の感想なんだけど…やっぱり、結梅の物語めっちゃ面白いよね!!最高! (2020年5月20日 10時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結梅 x他1人 | 作成日時:2020年5月18日 22時