結ノ呼吸の結柱

家族 ページ37

結闇side


その誰かは匂いで分かった。




兄さんだ。


『に…いさ……ん………？？』


柱も、和も、お館様も泣いている。


『後で知った事なのですが、オッドアイが忌み子の象徴だったそうなんです。』


「(お前は何も)悪くない」


「南無………」


「よもや……美味しい物も食べられなかったということか……」


「私達が心の傷を必ず直します」

「Aちゃん……あの時はほんとうにごめんなさい！！」


『気にしないでください。蜜璃さん。』


「A。此処はAの居場所だよ。皆、家族なんだよ。

家族が居ないなら作れば良いんだ。

信頼関係と、皆を愛すことさえ出来ればそれは立派な家族だ。」


いつのまにか、兄さんは、離れていて、今度はあまねさんに抱きしめられた。



「苦しみを私に分けてください」


『嫌よ。あまねさんは、苦しみを味わなくていいの。もう、既に悩みもがいてるんだから。』


「どうしてそこまで優しいのですか……」


『私が優しいだなんて嘘よ。

酷い両親の子供なんだから。私だってきっと醜い酷い人なのよ』


「A、絶対二絶対二一人デ抱エコマナイデ。

私二言ッテ！！家族ダカラ！！」


『ありがとう。和。』


「あ！！そうだ！！

今度、沢山美味しい物食べに行きましょう！！しのぶちゃんも一緒に！！」

「その村の人、全員こうしていいですか？」


泣きながらも楽しそうな事を提案してくれる蜜璃さん。


手をグーにしてパンチする真似をしているしのぶさん。




『ありがとう( ´∀｀)』






今まで、自分が嫌いだった。



でもね、柱や和。お館様のおかげで好きになれそうなの。




私を変えてくれて本当にありがとう。

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