愛柱は皆に好かれる愛され体質【鬼滅の刃】

25、カナヲから見た愛柱 ページ33

Aさんは私よりも速く師範達に拾われた人だった。

同じ痛みや苦しみを知っていて、側に座っているだけで和やかな雰囲気になった。

いつも優しくてしのぶさんとカナエさんのどちらかに例えるとカナエさんのような考え方だった。


【鬼は可哀想な生き物。元は人だったのにその記憶さえ無くなってしまい、理性のままに生きる。本当の自分を取り戻したらきっと、鬼だった人は苦しむ。だから私達がどうにかしてあげないと。】

これを口癖の様に言っていた。

でも、しのぶさんの様な振る舞いだった。

【もう、カナエ姉さん！そんな考えだから、いけないのよ！そんな考え方するのがカナエ姉さんだけど！！】

怒っている様な何というか…。



でも、あの日を機に師範も、Aさんも変わってしまった。


師範は、カナエさんの様に。笑い方・考え方・振る舞い。全てが変わってしまった。

Aさんは、鬼に慈悲が鬼に向けていた優しさが、無くなってしまった。人に対する優しさは変わらないけど、鬼や自分を責める気持ちが強くなっていた。


それから蝶屋敷を出て、柱になって1番に私達に挨拶にきた。


【今日から愛柱になりました。お世話になっていたので、挨拶に来ました。あの時…私を拾ってくださり、ありがとうございました。これからも、精進していきます。】


そんな風に言っていた。


そして、呼び方。

しのぶ姉さん→しのぶさん。

カナエ姉さん→カナエさん。

カナヲ〜→カナヲちゃん。

何処か他人の様になっていた。


また、家族に戻りたい。

私なんかが言っていい事じゃないと思うけど、あの家族に戻って忙しくてもいい。同じ家に帰りたい。



Aさんは、すぐに壊れてしまいそう。

ちょっとした時の悲しそうな、責めている様な表情は複雑で本当のあの時のAさんに戻って欲しい。



これ以上変わらないで

これ以上自分を責めないで

私から３人を奪わないで……









鬼

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