【テニプリ】悪女の証明【立海大】【白石蔵ノ介】 (ページ8)

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「ねぇ知ってる？外部からめっちゃ可愛い子来たって！」
「あー、あの子？あの子のいるクラスすごいらしいよ」
「知ってる、休み時間にみんな見に行くよな」

職員室に行く道中でこんな会話を聞いてしまった。正直慣れたものだがやはりニヤニヤしてしまう。

ほかの子はどう思うんだろうな、特にミスコン一位の子とか。さぞかし悔しいでしょうね。
掲示板で貼られたポスターで去年のミスコン一位の子を見たが、自分の三分の一にも満たないと思った。

半来自分が注目の的だったのにそれが途中から来た私に取られるなんて。嫉妬で狂いそうじゃない？
そう思おうと自然とルンルンとなり足取りも軽くなる。

職員室の戸の前につき、コンコンとノックしようとすると戸が開き職員室内から人が出た。

…！
いままでたくさん男を見てきた。どんなイケメンも見てきた。私をなびかせる人なんて一生出てこないと思った。しかし、今目の前にいる男に悔しいほど自然と目線を奪われてしまう。

紫色のサラサラな髪にエメラルドのような目。自分に目もくれずに横をすっととおり去った。
風で柔軟剤のにおいの中少し混ざった汗のにおいが遅れてやってきて鼻にこびりつく。さわやかな夏の感じがした。

この人のことを知りたい。
本能的にそう思った。

昼休み

今日も何人かが扉の前で教室の中を覗き込もうとした。比較的前で真ん中の列にいる私はかなりじろじろと見られた。
最初は高揚を与えてくれたがさすがに私もそれに飽きてうざがった。

こんなこともあってか私は友達がまだできず、女子からも遠慮されがちだ。

不意に戸に目をやると、今日あった紫髪の人がいた。思わずジーと見つめてしまったが向こうは私に目をやらない。逆にじろじろ見てきた人らが慌てて私から視線をそらしどっか行った。

誰を探してるんだ？

そう思っていると後ろから、
「幸村くーん！いま行くぜぃ」
と赤毛の男子が言って慌てて彼のそばまで駆ける。

ふーん、幸村くんね。
私は無意識に見えないまでずっと後ろ姿を追った。