交錯する線 part 2 【Kento】 (ページ10)

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その日の夜、さて寝ようかとしていたところスマホにメッセージが届いているのに気がついた。

緑のアイコンを開いてみると、

中島です。今日はありがとう。
会うのOKしてくれて嬉しかった。
仕事の休みを確認してまた連絡します。

中島さんって割と絵文字使うんだなと思いながら

中村です。こちらこそありがとうございました。
はい、よろしくお願いします。

と打つ。
店員とお客様という立場だったというのもあり、私は絵文字など全くない飾り気のない文面になってしまった。
なんとなく味気ない気がしたので、最後に

おやすみなさい。

と一言入れて送信する。

ピロンとすぐに返信が来た。

よい夢を。プリンセス

画面を見て思わず笑ってしまう。

裏切らないなぁ。

徹底ぶりに尊敬する。

一仕事終えた安心感もあり、本当に今日は良い夢が見られそうだと私はベッドに潜り込んだ。

すっきりした気持ちで出勤し、今後のスケジュールを確認する。

もうすぐで風磨君の仮縫いができあがる日だった。

仮縫いができ上がるので一度試着に来て欲しい旨風磨君に連絡すると、今立て込んでいて行けそうにないからまた連絡するとのことだった。

先日は忙しい中私の相談に付き合わせてしまって
申し訳なかったなと思いながら、
握手もしてくれてすごくいい人だったことを思い出す。

中島さんに引き続き、風磨君にも喜んでもらえるように気を引き締めていこうと私はひとり気合を入れ直すのだった。