交錯する線 part 2 【Kento】 (ページ47)

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部屋を出てお見送りをする。

「今日はここまででいいよ。また後で会うし。
店長さん呼んでもらえる？」

菊池さんが店のドアの前で振り返り、そう言うのでバックヤードから店長を連れてきた。

「今日は僕のせいでお二人の時間をとってしまいすみませんでした。次はもっと余裕持ってきますんで、またよろしくお願いします」

彼は礼儀正しく言った。

「菊池様、気にされなくて大丈夫です。
またお越し下さい。お待ちしております」
と店長もにこやかに返している。

「ありがとうございます」と店長に言うと、私にじゃあまたと軽く目配せし表通りを歩いて行った。

彼がショウウィンドウから見えなくなると
「いやー、菊池風磨はチャラチャラしてそうなのに、好青年なんだな」と店長はしみじみ言った。

「ですね」と返す。

「遅くまでお疲れ。もう上がっていいぞ」と店長が言うので、お疲れ様でした、と挨拶し自分の荷物を取りに行く。

スマホを開くとメッセージが来ていた。

ここに集合！という文言とともに、店のURLが貼ってある。

了解しました、と送信し私は表へ出た。