交錯する線 part 2 【Kento】 (ページ43)

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外を見るとやはりまだ雨が降り続いている。
さっきまでのテンションは何処へやら、私はもう何も見る気がなくなり、テレビを消した。

私は中島健人のファンになって以来、数々の彼の恋愛ドラマを見てきて、その中でただの一度もそういう感情になったことがなかった。
むしろラブストーリーのけんてぃーかっこいい、さいこー！とまで思うほどに、恋愛系コンテンツは好きだった。

私はあくまでアイドルとしてテレビを通して見る中島健人が好きだった。
例え熱愛の事実をスクープされたとしても、アイドルとしてキラキラしてくれてさえいれば私の心は乱されない自信があった。

それが私のファンとしてのスタンスだった。

だったのに…

これじゃあまるで普通の恋愛と同じだ。

自分の好きな人が他の女性と仲良くするのを嫌がるのと同じ感情だ。

加速しだした心はとどまるところを知らない。

もういつからなのか私は、中島健人をアイドルではなく、ひとりの男性として好きになってしまっていた。

彼の予言通り私は、中島健人に堕ちた。