交錯する線 part 2 【Kento】 (ページ42)

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久しぶりに予定のない休日がやってきた。
外はしとしとと雨が降っている。
こんな日に家から出ないでいいのは最高だと思い、お気に入りのドラマを見ることにする。

レコーダーに録ってある中島健人の夏ドラマを見ることにした。
この夏すごく盛り上がって、ロスを引きずったことを思い出す。

本当に大好きなドラマだった。
たくさんきゅんきゅんした。
火曜9時にテレビの前で待機したくて、仕事の片付けを全速力でやって退社していたことを思い出して笑ってしまう。

つい数ヶ月前の事なのに、遠い昔の事のようだ。

ラブも物語も佳境に入る最後の3話分をひとまず見ようと私はドラマを再生させた。

ーーーーーー

空に虹がかかり物語が終わる。

ほうと息をつく。

その時やっとこの約2時間半、自分の表情筋がほとんど動いていなかったことに気づいた。

ありえない、と思った。

私はいつもニヤニヤしたり、かわいいーといったりしながら話にのめり込んでいたのに。

自分の心境の変化に戸惑うことしかできない。

今日きゅんきゅんなんて、一瞬たりともしなかった。

しんどい。

私はヒロイン役の女優相手に嫉妬していた。