交錯する線 part 2 【Kento】 (ページ23)

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「なんかあったら連絡しな。
俺のプライベートの番号教えとく」

気づくと俺はそう口にしていた。

「そんな！大丈夫です」

胸の前で両手を振り、慌てて断られる。

こんなことってある？
俺仮にもジャニーズなんだけど。
自分で言うのもなんだけど。
いや、別にジャニーズだからって女子との連絡先交換が容易いとかも思ってないけども。

ただそれほどまでに今の彼女の目に自分が映っていないのだという事実を突きつけられる。

でもそういう芸能人に媚びないところがまた惹かれる要素でもあった。

「いやいや。俺も大丈夫でしょと背中押してる手前、やっぱ心配だし。登録しといてよ」

そう言いながら半ば強引に連絡先を登録してもらう。

そして、連絡もらった時にAちゃんだってわかるように、だとか、
俺も相談したいことあるかもだし、などと、
それらしい理由をつけて彼女の番号も教えてもらう。

ちょっと無理があったような気がしないでもないが仕方ない。

「何から何まですみません」

彼女はただ申し訳なさそうに言った。

「いいって。
何事もなく楽しめればそれに越したことはないし、
あんま心配そうな顔すんなって。な？」

頭をぽんぽんとしてしまう。

これぐらいは許してほしい。

「はい、ありがとうございます。
風磨君は相談しやすいからすぐ頼ってしまってすみません。
SexyZoneでもお兄ちゃんみたいですけど、
オフもお兄ちゃんぽいですよね」

くすっと笑いながら言われた。

兄ポジとかまじいらねーからと叫びたくなる。

ほらな、彼女の中の俺の立ち位置はそういうとこなんだって。