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食後のデザートに各々が選んだケーキ運ばれてきた。
「中村サンはショートケーキにしたんだね」
「はい、いつも色々迷うんですけど、
結局いちごのショートケーキにしちゃいます」
「じゃあ、俺のチョコケーキあげるよ。
はい、あーん」
と私の前にチョコレートケーキをひとくちフォークで差し出している。
え？
「え？」心の中で思っていたことがそのまま口から出ていた。
彼は冗談とも本気ともつかない笑顔で待っている。
「いやいや、そんなん大丈夫です！
私全然ショートケーキだけで満足なんで！」
あわあわ言うと
「相変わらず鉄壁の守りだなぁ」と笑われた。
「ま、初回だしね。
あーんはもうちょっと仲良くなるまでおあずけだね」
とかなんとか言って「ここデザートも美味しいよね」
とか言ってチョコレートケーキを頬張る彼の攻めに、
自分の心のガードが緩くなりそうな危機感を覚えた。
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作者名：にこ
| 作成日時：2021年9月25日 22時
