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「ふーん。釈然としねぇなぁ。」
ソファの背もたれに伸びながら言う。
でも口調は優しげだ。
「あいついいやつよ、まじで。そして真面目よ?」
また前傾姿勢に戻り私の目を見て言ってくる。
「アイドルやってる時も真面目だけど、根も真面目。
この世の女子全員に、プリンセスだの言ってるけど
節操ないやつじゃないと思うし。
ほんとに良いと思った子には一途だったりするんじゃね?
あ、ごめん、俺あいつとめっちゃ絡むけど、付き合ったことはないから流石にそこまではわかんねーわ。」
と最後はおちゃらけてウインクしながら両手を合わせている。
思わずふふっと吹き出す。
「まぁアイドルだからバレないようにとかはしないとだけどな。
それはあいつも分かってるだろうし。
Aちゃんは自分の気持ちをそのまま言ってみたら、案外上手くいくかもよ?」
こちらの様子を伺いながら優しく話す。
「そうですね、中島さんにはそう話してみます。
菊池さんのお陰でスッキリしました。
お話聞いてくれてありがとうございます。」
「じゃあ相談料もらおっかな」
「え?高いですか?
私手持ちが今あまりないんですけど…」
不安そうに返すと
「いやいや、真面目か。」とつっこまれた。
「とりあえず、Aちゃん、ほんとのこと教えて?
それが相談料ってことで。
Aちゃんって俺らのファンだよね?ていうかもうバレバレな感じはしてますけども」
改めて聞くのもアホらしいとでも言いたげな、
お見通しだという口調だ。
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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月25日 22時