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戻りました、と店内に入ると、店長は常連の老夫婦と談笑していた。
その横をいらっしゃいませと挨拶し、バックヤードに捌ける。
とりあえず、菊池さんの選んだ生地をオーダー表に書き留めた。
ペンを持ったまま、変な言い方にはなるが、どうしてこうも私は絡まれているのかと首を捻る。
こんなに追求されるなら、初めからファンですと言っておけばよかったなどと思っていると
「おかえり」
と店長がバックヤードに入ってきた。
「わぁ!びっくりしたー」
「え、そんな?意識飛びすぎでしょ」
と笑いながら言う。
「彼どうだった?生地決まった?」
「あ、はい。黒無地になると思います。
細かいところや採寸は後日になるんですけど。」
と報告する。
「了解。けんてぃーの紹介だったのかな?
突然だったよね。
芸能人だと、いつもと勝手が違うところもあるだろうけどよろしくね。」
そう一息に言うと自分の仕事があるのかバックヤードから出て行ってしまった。
カレンダーを見ると中島さんのスーツが完成するのはまだ先だった。
それより前に菊池さんはまた来るんだろうか。
頭の回転が速く洞察力のある菊池さんは何もかも一枚上手で、
次に会うとき私の嘘は、彼の前では意味をなさないように思えた。
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にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります!引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしています! (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月18日 9時