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「何にしようかなー、中村さんは?」


半歩後ろでキョロキョロしている私を振り返り聞いてくる。

店内の人が菊池風磨に気づくのではないか不安であたりを見回していたのだ。


「いやいや、中村さん。
そんな挙動不審な方が怪しいから。
普通にしてて。メニュー決めましょうよ。」

「あの!私近くにいない方がいいんじゃないかなと思って…」

不安でしょうがない。


「今からどうせ一緒に打ち合わせすんのに?」

心配しすぎだと呆れたように笑いながら

「まぁいいや、じゃあ俺買ってきますんで、席取ってて下さい。って言っても思いの外席空いてねーなー」

店内を見回す菊池さんにハラハラする。


「中村さん、あそこ空いてるんで先座ってて下さい」



そう言って彼が指し示した場所は往来から見えそうなガラス窓のそばだった。



「え、あの席は丸見えじゃないですか?!」

「大丈夫ですって、ほら観葉植物みたいな葉っぱでいい感じに隠れますから」


たしかに席の隣には大きめの観葉植物が置いてある。

私はわかりましたと頷いた。



「俺コーヒーにしますけど、中村さん何にします?」

「同じので大丈夫です」

思わず小声になる。


「了解です。じゃあ席座ってて下さい」



私は早足でその場を離れ窓際の席についた。


怪しまれない程度にあたりを見回す。

今のところ誰も彼の存在に気づいてはいないようだった。


至って普通に注文している彼の後ろ姿を眺める。

明るい金髪はニット帽で隠れてはいるものの、やはりオーラは隠せていないように見える。


あれでバレないと思っているのが全くの驚きだ。




トレーにコーヒーを乗せて彼がやって来た。


私が財布を出してお代を払おうとすると

「俺の奢りです。
急に連れて来ちゃったので。」

「そんな、いいです、払います」そう言うも

「いいですって。それより早く始めましょう。
中村さんも心配そうだし、ちゃちゃっと決めて店に戻りましょう」

そう丸め込まれた。

「すみません、ありがとうございます。」

「いえいえ。」


こちらに気を遣わせないような軽い返事だった。

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設定タグ:SexyZone , 中島健人 , 菊池風磨   
作品ジャンル:恋愛
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にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります!引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしています! (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月18日 9時

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