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中島健人side
車に乗り込んで後ろの席からバックミラー越しに彼女が見送っているのが見える。
きっと誰にでもするお見送りで仕事の一環なのだろう。
この車が他の車の波に紛れたのを見計らうと、彼女は日の落ちた空へ視線を投げて、店内へと戻っていった。
車の窓から空を見る。もう暗くなりかけている。日が落ちるのが随分早くなった。
「どうでしたか?何事もなく終わりました?」
マネージャーに話しかけられた。
「まぁうんそうだな」
マネージャーが眉をひそめながらバックミラー越しにこちらに視線をよこす。
「またキラキラ振り撒いてきたんじゃないでしょうね?」
「振り撒いてはないけど、でもあの中村サン、なんか気にならない?
なんとなーくセクラバなんじゃないかって気がするんだよね。
昨日はファンじゃないって思ったんだけど。
今日の採寸の時緊張してるのが伝わってきてさー」
それを聞くや否やがばっと運転席から振り返ってきた。
「気になる?!?!だから!なんでそう自ら飛び込むんですか!?向こうが普通にしようと努力しているなら引っ掻き回さない!ファンだろうとなかろうときちんと仕事をしようとしてくれているんですから、あなたはそれに応えて下さい。」
今日は昨日より攻めてしまった。自覚はある。
彼女を動揺させたくてやったんだから。
今日の彼女は昨日ほどの落ち着きがなく、初めの方から緊張していた。
まぁずっと物理的に近かったからだろうけど。
頬を染めて一生懸命に採寸する彼女を眺めているとからかいたくなってしまったのだ。
ただどんなにこちらが攻めても鉄壁の牙城は崩れない。
彼女は頑なにファンであるとは認めなかったし、
俺も彼女がそう言うならそうなのだと認めればいいのに、あんなどぎまぎと女の子感出して接客されるとなんかかわいいな、なんて思っちゃうし、
やっぱりセクラバなんじゃねーの、と思ったり、
少しでも俺のこと気にして欲しいだなんて考えてしまって何やってんだかと自分でも呆れた。
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にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります!引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしています! (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月18日 9時