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約束の時間。
そわそわする。昨日のいきなり突撃来店とは違う。
中島健人が来るとわかっているこの緊張感たるや。
17時になったその時、昨日と同じ車がショウウインドウ越しに見えた。
自分の胸がどきどきしているのが、わかる。
カランカラン
ドアベルの音が店内にやけに大きく響いた。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」
内心のどきどきが悟られないようにこやかに迎える。
「こんばんは。昨日ぶりですね、今日もよろしくお願いします。」
ただの挨拶なのに眩しい。
今日も中島健人は相変わらず中島健人だった。
さっきの緊張はどこへやら、推しに会えた喜びで緩みそうになる頬を軽い咳払いで誤魔化し
「では昨日と同じ個室へご案内します」
と言い個室へ向かおうとした時、マネージャーさんが
「本日は別の仕事で出なければならないので、私は外させてもらいます。終わり次第戻りますので、それまでよろしくお願いします。」
と言い、すっと中島さんに顔を近づけ小声で
「普通に頼みますよ、アイドル出すの禁止ですからね」
中島さんははいはいと頷いている。
こちらには聞こえないが何やら連絡事項があったようだ。
あまり見るものではない気がして、視線を外していると
「では、失礼します。」
マネージャーさんの挨拶が聞こえ視線を戻すと私の目の前、真正面に中島健人が立ち
「じゃあ僕たちも始めましょうか」とにこやかに話しかけられた。
ち、近いよ!!
思わず一歩後ずさる。
「そ、そうですねいきましょうか」
昨日からちょいちょい近いときあるよね?!無意識?
ちょっと不意打ちであの近さは耐えられない!
私はくるりと振り向いて奥の部屋へ向かう。
彼は何事もなかったかのように、スタスタと部屋へ入ってきた。
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にこ(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。更新のペースはゆっくりになるかと思いますが頑張ります!引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです♡ (2021年9月24日 14時) (レス) id: c73915c859 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - ドキドキしながら読ませていただきました♡ これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしています! (2021年9月23日 18時) (レス) id: fe924e0240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月18日 9時