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朝練中、一度も黒尾と目が合わなかった
そればかりか黒尾とやっくんも一言も喋ることなく
嫌な空気のまま朝練が終了した
昇降口で上履きに履き替えるため下駄箱を開ける
毎日入っていた気持ち悪いあの紙切れが
今日は入っていない
黒尾は本当にあの子と付き合ったのだろうか
だから、黒尾のそばにいた私に嫌がらせする理由もなくなって
さっき止まったはずの涙がまた溢れてくる
心做しか頭もズキズキしてきて痛い
夜「おい安達。保健室行くぞ。」
『う、ん。ありがとう、やっくん…。』
私の涙に気付いたのか、
横で上履きに履き替えていたやっくんが手を引いてきた
夜「しんどくなったら帰れ。ノートまとめといてやるから。」
先生が不在だったため、ベッドに横になり布団を被った
やっくんは じゃあ とだけ言って部屋を出ていく
泣いたおかげで目は痛いし、頭も痛いしで
ボロボロになった顔を枕に押し付けた
目を瞑っても考えちゃうのは黒尾のこと
けれど体は疲れていたのか、すぐに睡魔が襲ってきて
そしてそのまま意識を手放した
___________________
「……さ、…お……て。」
『ん、んんう、…。』
先生「安達さん。おきて。もう3時よ。」
『えっ!?3時!!?』
3時という単語にビックリして飛び起きた
朝から寝てお昼も起きずにもうこの時間、さすがに寝すぎた
先生「聞いたわよ。歩道橋から落ちたんだってね。
今日はもう帰って安静にしてなさい。」
『わ、わかりました。ありがとうございます。』
やっくんには落ちたこと教えてないから
落ちた時に一緒にいた子が先生に伝えてくれたのかな
でもなんで保健室にいること知ってたんだろう
まあいいや、お礼はまた今度言おう
学校を出て家に帰ろうと、とぼとぼ駅を目指す
けれど気分が沈みきっていて家に帰る気分じゃない
『あっ、そうだ!』
我ながら突拍子もない考えだと思ったけど
気分も足もそっちを向いて、バス停の方へ向かう
ちょうど停まっていたバスに乗り込んで
揺られること数十分
“次は梟谷学園高校前 梟谷学園高校前です”
ここで停車ボタンを押した
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KIRA(プロフ) - キュンキュンする!いつもとっても楽しみです!頑張ってください (2022年5月19日 6時) (レス) @page46 id: 8a3ea8f2fe (このIDを非表示/違反報告)
tama - すごく面白いです!続き待ってます! (2022年5月12日 13時) (レス) @page39 id: 3f769884b2 (このIDを非表示/違反報告)
saku - 凄くいい小説を書いてくださりありがとうございます!!続き楽しみにしてます! (2021年11月23日 17時) (レス) @page15 id: 0f7005463c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜空舞 | 作成日時:2021年11月4日 5時