四十一話 ページ8
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「ほら、見えてきました。あそこです。」
森の中を歩くこと数十分。理鶯の野営地が見えた。
「おー、やっと着いたか！」
「ええ。お疲れ様でした。」
ようやく辿り着いた二人が一息ついていると、
「来たか、銃兎。待っていたぞ。」
理鶯がこちらへ向かってきた。
「どうも。すみません突然。」
「構わない。こいつがAか。」
「ええ。」
「小官は、毒島メイソン理鶯だ。好きなように呼んでくれ。…ふむ。やはりいい目をしている。この芯の強そうな目は、確かに小官の知っているAのものだ。」
微笑む理鶯に、Aは不思議そうな顔をしている。
「それじゃあ理鶯、私は仕事に戻ります。すみませんがAさんを頼みしたよ。」
「ああ。任せておけ。」
「あ、Aさん。」
「なんだよ？」
「さっきも言ったように、理鶯は頼れる男です。が、食事は少し苦労するかもしれません。頑張って下さい。」
Aにそう耳打ちして、銃兎はこの場を立ち去った。
「もう暗くなってきたな。A、腹は減っていないか？もし減っているなら、夕食にしよう。準備は済ませてある。」
「…ああ、そうする。そういや俺、今日まだなんも食ってねぇや。」
「そうか。ならば着いてこい。夕食はあっちにある。」
「うっす。」
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「……え、夕食ってこれか？」
案内された先に、確かに用意してあった夕食。
けれど理鶯が作ったのだから、まあ、普通の料理ではない。
「虫じゃねぇの…これ…？」
「ああ。そうだ。17歳のお前には見慣れないものかもしれないな。だが安心しろ。毒性は無いし、栄養価も高い。」
「で、でも……。いや、文句言う権利ねぇか。」
Aはそう小さく呟き、
「うっし、頂きます！！」
覚悟を決めて、虫たちを口へ運んだ。
「…へっ？う、美味いじゃん！」
「そうか。なら良かった。そう言って貰えれば、小官も作った甲斐があったというものだ。」
「おう、美味い…ぜ……いや、見ちゃ駄目だな。」
「ん？何か言ったか。」
「な、何でもねえ！」
＿＿＿＿
「ご馳走さま。」
味と見た目とのギャップに苦労しつつ、なんとか食べ終えたA。
「…んー、腹一杯になったら、なんか眠たくなってきた…。」
そう言って、うとうとし始めた。
「今日は色々あって、疲れているのだろう。もう寝るといい。風呂は明日にでも入れば良いだろう。………もう寝てしまったか。」
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沙悟浄(プロフ) - ムムさん» そう言ってもらえると嬉しいです。とても励みになりました！ありがとうこざいます。 (2021年4月29日 13時) (
レス) id: a53696e285 (このIDを非表示/違反報告)
ムム - 面白すぎましたけど、 (2021年4月17日 23時) (レス) id: ec0741b59c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙悟浄 | 作成日時：2020年12月31日 15時
