＊Anotherstory 廉 ページ15
.
.
卒業式を終え、マユに呼び出され、
来た保健室。
走って、出ていくマユに、
俺は、なんの感情も抱かなかった。
.
どこかにAちゃんがいないか....
そればかり、気にして、窓の外を眺めた。
.
あれから、Aちゃんからは、
なんの連絡もなくて......
さすがの俺も、結構しんどくて、
女子か。って思われるくらい
食欲も落ちた......
.
はぁ.......
.
突然、後ろから俺を抱きしめる細い腕。
ふわっとする安心する匂い。
体中が一気に熱を持つ。
.
.
涙目で、俺の名前を呼び
大好きだと伝えてきたAちゃんに、
飛びそうになる理性を、ギリギリの
ところでなんとか繋ぎ止める。
.
夢なんじゃないかって、
Aちゃんに気づかれないように、
頬をつねると、すごく痛くて。
.
現実なんだってわかったとき
俺は、この世で一番幸せだと思った。
.
「........俺の家行ったら....甘いこと、しよな...？」
俺の言葉に、ビクっと体を跳ねさせ、
こくんと頷いたAちゃん。
.
.........無理や......
.
俺は、Aちゃんの手を取ると、
走って学校をあとにした。
.
そして、家に帰り、Aちゃんを
ベットに寝かせる。
.
先輩....////？と、目をうるうるさせ
俺を下から見上げるAちゃん。
「........お祝い......ちょうだい...？」
.
俺の言葉に、恥ずかしそうに
顔をそらし、両手を俺の方に出し、
俺の体を掴むと、自分の方に
引き寄せ、ぎゅっとしてきた。
.
そして、こくんと頷いた。
.
そのあとのことは、正直
ほとんど覚えてない。
.
一つ言えること。
それは、幸せな時間だってこと。
.
正直、今まで、行為中に幸せなんて、
感じたことは、一度もなかった。
.
本当に大好きな人と愛し合えること、
それがどんなに幸せで、
大切なことなのか。
.
布団に包まり、気持ち良さそうに
眠るAちゃんの頬を撫でながら、
「........Aちゃんが初めてのこと、あったで....」
俺が呟くと、少し顔をしかめた
Aちゃんの頬に優しく
熱を落とした。
.
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいりちゃん(プロフ) - Mayuさん» 愛して下さり、ありがとうございます。とても嬉しく思います！ (2020年10月1日 20時) (
レス) id: 75fcb1c43d (このIDを非表示/違反報告)
Mayu - このお話、本当に最高で、一気に最後まで読めました！この作品、本当に大好きになりました！！ (2020年10月1日 13時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいりちゃん(プロフ) - しおりさん» ご指摘、ありがとうございました！ (2020年10月1日 9時) (レス) id: 75fcb1c43d (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - リンク押したらシーグラスの１話？に飛びましたよ。 (2020年10月1日 0時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - ゆいりちゃんさん» 次の作品も楽しみにしてます。笑 (2020年9月30日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆいりちゃん | 作成日時：2020年9月25日 11時
