シーグラス (ページ38)

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『......いったぁ.....もう、本当......最近いいことないなぁ......』

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私は、立ち上がりスカートについた

砂をパンパンっと手で払うと、

ジンジンする頬を擦りながら、

教室には帰らず、保健室に向かった。

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Aハノ、私、保健室いく

ハノ授業終わったらいく

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保健室の前。

中からかすかに聞こえる声。

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「......痛い？」

「.....痛くない....」

「.....いくで？」

「......っ..廉...痛い....」

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聞こえてくるのは、明らかに先輩の声。

そして、もう一人甘ったるい女の人の声。

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私はその場にいられなくなって、

扉にかけていた手を戻し、

屋上に行く階段を駆け上がった。

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ギィー

バタン

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私は、屋上の隅に行き、

ゴロンと横になり、目を閉じた。

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授業をする声。

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黒板の音。

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鳥のさえずり。

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飛行機の音。

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温かい日差しが私を包む。

『..........はぁ......』

大きくため息をついて目を開け、

真っ青で大きな空を見る。

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嫌なこと全部........

どこかに飛んでいったらいいのになぁ...

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私は、空に手を伸ばした。

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すると、不意に目の前に現れた

少しゴツゴツした手。

『わっ！！』

その手の持ち主は、私の声に

びっくりしたみたいで尻もちをついた。

私も、いそいで座り、その人を見る。

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『.......平野、先輩.....？』

痛〜とお尻をさすりながら

顔を上げ、ニコッと笑う平野先輩の姿。

『ご、ごめんなさい』

私が、慌てて立ち、手を伸ばすと、

ありがとう。と私の手を取り

立ち上がった。

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が、一向に

手を離そうとしない平野先輩。

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『ひ、平野...先輩.......手を...』

紫耀「え？あ、ごめん」

そう言うと、すぐに離された手。

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もしかして、繋いでることに

気づいてなかったんだろうか......

平野先輩って、本当....不思議.....

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