シーグラス (ページ19)

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教室に入ると、女の子たちが

ヒソヒソ私の方を見て話をしている。

「あれ？上履き履いてるよ？」

「ちゃんと捨てたの？」

「捨てたよ！？」

嫌でも聞こえてくる会話。

そっか....

やっぱ、私目つけられてるんだ....

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ハノ「ねぇ！」

そんなことを思っていると、

ハノの低い声が聞こえて、顔を上げると

女の子たちの前に仁王立ちしている。

ハノ「捨てたってどういうことか、ちゃんと説明してくれる？」

「そ、そんなこと言ってないよ？」

「うんうん。私たち関係ないから」

ハノの圧に負けたのか、

女の子たちは、逃げるように

教室を出ていった。

ハノ「ったく、いじめとか、本当しょーもない」

『........ハノ、ごめんね....？』

ハノ「いやいや！Aが謝ることじゃないよ！元はといえば、平野先輩と、永瀬先輩が悪いんだから。」

ハノ「ただでさえ目立つし、女の子たちはみんな先輩に相手してほしいのにさ」

ハノ「そんな先輩二人に相手されたAは、そりゃぁ、みんなからしたら、何あれ！ってなるよ。」

そんなことも分からないなんて、

何がイケメンだよ。なんて、

文句を言いながら席に向かったハノ。

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........そうだよね.....

学校の大半の女の子たちが、

先輩と仲良くしたいと願ってる。

なのに、なんの取り柄もない私が

先輩達と仲良くしてたら、

面白くないに決まってる。

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昼休み

今日は、食堂に行く気になれなくて、

ハノと海人がパンを買ってきてくれた。

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私が、教室にも居づらくて.....

ハノと海人が中庭に連れ出してくれて、

3人でベンチに座る。

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ちらっと海人の足元を見ると、

汚れた上履きを履いている。

『あれ？上履き.....』

海人「え？あぁ、これ？朝、職員室に行く途中でゴミ箱の中で見つけた。」

『.......そうなんだ....』

海人「こんな汚いの、Aには履かせられないし？ちょっと小さいけど、問題なし！俺らって双子でよかったよね」

ニコニコと笑う海人。

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海人「金曜日、帰ったら、俺が洗うから！」

『.......ありがとう.....』

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