いちごミルク (ページ30)

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忙しいかなとか、迷惑かなとか

そんなこと頭になくて。

ただ永瀬廉の声が聞きたい。

その一心で震える手でLINE電話をかけた

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何度かコールして諦めかけた時

廉「Aちゃん？」

優しい永瀬廉の声がした

廉「Aちゃん？どうかした？」

『...ふぇ..』

廉「え、泣いてるん？！なんかあったん？」

『...たすけ、て..』

声にならないほどの小ささで

なんとか絞り出した声

廉「どこにおるん！？」

永瀬廉が強めの口調で言った

『...●●駅...』

廉「すぐ行くわ！！待っとってや！」

電話の向こうで、

廉「ごめん！俺ちょっと急用思い出した！」

　「なにそれ〜」

　「みんなで考えようって言ったじゃん」

廉「ほんまごめん！」

　「廉がそんなこと言うって事はホンマに大事な用なんだね」

廉「紫耀..」

　「紫耀が言うなら仕方ないね」

　「気をつけてね〜」

廉「みんなありがとう！！」

廉「Aちゃん？今行くから！」

『...ん...』

　

永瀬廉は移動中も電話を繋げててくれた。
　

廉「Aちゃん？●●駅に着いたよ。どこにおるん？」

『...トイレ..』

少しして外で足音と

息が上がる声がした

廉「...Aちゃん..？..」

静かに扉を開いて外に出た

廉「Aちゃん！どしたん？何があったん？！」

いつもの帽子に眼鏡にマスク姿の

永瀬廉が立っていた。

私はひと目も憚らず永瀬廉の胸に

顔をうずめて泣いた

廉「...っ...大丈夫...大丈夫やで...」

永瀬廉は何かを察したかのように

まるで子どもをあやすように

私の背中を優しく叩いてくれた

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