いちごミルク (ページ12)

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永瀬廉は静かに話しだした

廉「俺さ、デビューする前からこの仕事しててん。したないことも要求されて、一生懸命それに答えてきてん...その頃からやな...俺に近づいてくる女の人たちはみんなTVで見る俺を好きになって近寄ってきた。でも俺はTVで見せてるような完璧な男ちゃうねん。せやから本当の俺を知った女たちはみんな離れていった。」

「思ってたんと違う」

「なんか幻滅した」

「好きになって損した」

廉「...俺からしたら、TVで見せる姿がホンマの姿やって誰かが言ったんや。って思ってたけど、あの日電車の中で話してた女の子達の話聞いて、やっぱみんなそう思うんや。って思ってん。」

あ、だからあの時...

あれは鼻で笑ったんじゃなくて

「やっぱりそうなんだ」っていう

寂しい気持ちだったのかな。

廉「せやから俺はTVのままのイメージでおろうって決めたんや。」

廉「.....そんな時、Aちゃんに会った。」

廉「Aちゃんはアイドルとしての俺じゃなく、ただ愛想のない俺を怒ってくれた。....ホンマはあの時すごい嬉しかってん...あ。俺をアイドルしての俺じゃなく、一人の人間として見てくれる人がメンバー以外にもおったんや。って...」

廉「....って、え？！なんで泣いてるん？！？」

『え、』

永瀬廉に言われて頬を触ると

涙が溢れていた

『あ、ご、ごめん...』

手で涙を拭いた

廉「...なんか泣かせるようなこと言った？」

『...うぅん。そんなことないよ...』

廉「..じゃぁなんで.?」

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