◆ リ ク エ ス ト 1 4 - 3 ◆ ページ17
清水 side
『卓さん、この服いらんなあ。って言ってたセーターあったやないですか?』
9「あの緑のやつ?」
『そうです!あれ、今、優心くんが履いているパンツに合うと思うんですよね』
ちょっと待っててな。と卓さんが自分の部屋にその緑のセーターを取りに行ってくれている間、今着てるアウター脱いで!と言われるがままに脱ぐ。ひと通り買った服での着回しを伝授されて、明日から私服で練習に行くのが楽しみだな。とワクワクする。
30「優心さ、靴のサイズ俺と変わらなかったよな?」
10「確かそうです」
30「去年さ、編み上げブーツ買ったんだけど全然履かなかったから、お前にあげるよ」
持ってくるからちょっと待って。と鍵さんも自分の部屋に向かう。その背中を見てAさんが見込みどおり。ってボソッと言うから、まあ。確かに。と思う。
なぜか先に鍵さんが戻ってきて、はい。これ。と渡されたそれは、ゴツめの黒い編み上げブーツ。オシャレ初心者の俺にどうやって履けと?と思っていると、Aさんが懐かしい。と言ったから少しビックリ。
30「これさ、履きにくいし、どうやって服と合わせたらいいかわからなくてさ」
10「鍵さんでわからないのに、俺なんてもっとわからないですよ」
30「A」
『ええー』
わかりましたよ。私の編み上げ取ってるので待っててください。と渋々、今度はAさんが自室に向かう。と同時に卓さんが緑のセーターを持って、はい、優心。と渡してくれる。
9「一昨年くらいはよく着たんやけど、去年と今年はあんまり着んかったけん。いるならあげる」
10「ありがとうございます」
9「ミリタリーブーツ?」
30「俺のなんだけど、全然履かないから」
9「難しそうやけん、俺、挑戦したかったけどやめたわ」
遥輝も買ってたけど履き方とか悩んでたわ。と卓さんが言った後、Aさんが少しダボっとしたワイドパンツに履き替えて、編み上げブーツ片手に戻ってきた。
『卓さんのセーター。この緑、深い色で好きなんですよねー』
はい、優心くん着て。と言われセーターを着るとぴったり。あ、ええね。とAさんに言われ、嬉しくなる。それの下にワイシャツ合わせてもええと思う。と違う着方も教えてもらう。
30「編み上げブーツは?」
『私流の履き方なんですけれど、紐が面倒なんですよねー』
.
◆ リ ク エ ス ト 1 4 - 4 ◆→←◆ リ ク エ ス ト 1 4 - 2 ◆
381人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年10月26日 22時