それはまるで魔法のように【７】 (ページ6)

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＊Ｕ＆Ｉ＊ページ6

中島 side

7「Aー！これ手伝っ…、あ、あいつ鎌ヶ谷やっけ」

突然、Aちゃんが鎌ヶ谷に行くことになってから２週間。最初の頃は俺やって間違ってAちゃんを呼ぶ事があったけど、遥輝と鍵谷の間違えようは異常。

30「バイタルチェッ…いないんだった」

15「完全にAロスじゃないっすか」

7「そんなんちゃうわ」

遥輝のそれは、慎吾がトレードで巨人に移籍した直後の時と似たものを感じるから、言葉では強がってるけど寂しいんやろうな。連絡取ってんの？って聞くと、全く。と２人して同じ回答。

8「そんなに間違うなら連絡したらどうですか？」

30「特に連絡することないから、する必要ないしょ」

12「俺と上沢とこんちゃんは、グループLINEで毎日連絡取ってますけど」

7「やーかーら、そんなんちゃうから」

9「俺、昨日、Aちゃんと電話したけど、ちょっと寂しそうやったけん、どうした？って聞いたら＂毎日会ってた人と突然会えなくなるって寂しいですね＂って言ってたわ」

めっちゃ可愛かったな。と言うとジト目でこっちを見てくる、遥輝と鍵谷。いつもはそんな事、言わないのに、何なの？と言わんばかり。

15「あ、Aから電話」

上沢の一言に瞬時に反応した２人。即座に上沢の近くに行って電話口に顔を近づけて少しでも会話を聞こうと試みる。いや、お前ら寂しいんじゃん。

15「遥輝さんと鍵さん？いるよ、ハンズフリーにしようか？」

上沢のその言葉に目を輝かせる２人。ただ意地張ってただけやん。素直に連絡したれよ、一応兄貴分なんやろ、やろお前ら。

『《遥輝さん？陽平さん？そこに居るんですか？》』

7「いてるでー」

30「どうしたー？」

『《私の声、聞きたいと思って》』

7「お前の声なんて毎日聞いとったから、もう飽きたわ」

『《ええ！ひどい！寂しくないんですか！》』

30「全然」

『ひどい！私は…＂Aさーん！みりん、どこですかー！＂…今行くー！ごめんなさい、呼ばれたので切ります』

電話の向こうで呼ばれたAちゃんは、きっと＂私は寂しいです＂って素直に伝えようとしたんやろうな。それに引き換え、この２人は。

9「可愛げないなー、Aちゃん可哀想や」

15「ん？…遥輝さんと鍵さん宛にって。youtubeのURL貼ってある。放課後ティータイム？U&I？」

10「やば！Aさん、やる事がめっちゃ可愛い」

7「……連絡する！」

30「…俺も！」

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