* ロ ー テ * ページ25
鍵谷 side
9「《今、新千歳空港着いたけん、1回家帰ってから鍵谷ん家に行くから》」
30「え?何?うちに泊まる気?」
9「《え?ダメ?》」
今日、大晦日でしょ?泊まらないなんて選択肢ないから。と当たり前に電話してくる卓。ああ、はいはい。わかったよ、また家を出る時に電話して。と言って電話を切る。
30「Aー?」
『何ですかー?』
30「この後、卓が来るってー」
やったぁ!とあまり動けなくて大掃除に参加できないからと、玄関で俺の革靴を磨いているAに言うと嬉しそうな返事が返ってくる。
30「泊まって行くってー」
『今年は陽平さんと卓さんと年越しとか、楽しみです!年越しそば食べましょーね!あ、お雑煮も食べましょーね!』
食べ物の事ばっかりじゃん。と窓拭き掃除のためにベランダにいる俺と家の中を大声で会話する。札幌の冬には珍しくピカピカに晴れた大晦日。
『陽平さんの家のお雑煮ってどんなんでしたかー?』
30「うちー?普通だけどー」
『やから、その普通が知りたいんですけどー』
朝比奈家はー、お母さんがコテコテの大阪人やったので白味噌で丸餅やっんですよー。と。ああ、そう言うことね。
30「うちはねー、石狩鍋みたいなお雑煮だったかなー?」
『鮭ですかー?』
30「じゃがいもも入ってたよー」
『そうなんですねー!卓さんの地元って福岡でしたっけー?』
30「そーだよー」
お雑煮で日本縦断できますねー!とわけわかんないこと言ってる。どうした。寒さで頭おかしくなった?と思って、何でー?と質問してみる。
『私、前の職場、東京やったじゃないですかー?三が日の当番日の朝ごはん東京のお雑煮だったんですー!』
30「だから日本縦断ねー」
『4日間、違う種類が食べられますねー!楽しみー』
30「誰が作るのー?」
『北海道は陽平さんでー、あとは私が作りますー』
30「A、1人じゃ、まだ立てないじゃん」
『筋トレだと思って陽平さんか卓さんが私を支えてくれたらいいじゃないですか』
んな、無茶苦茶な。と思ったけど、最近少し引っ込み思案傾向のある卓に支えるのをやらせよう。と我ながらいい考え!とか考えながら、じゃあ卓に支えてもらってー!と言う。
『後でお雑煮ローテ決めましょーねー』
4日で終わるからローテじゃないけど、いつもの年越し年明けより楽しくなりそうだから、何にも突っ込まず、いーよー!と返事。
.
* 無 駄 無 く 楽 し む *→←◆ リ ク エ ス ト 11 - 2 ◆
281人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年9月24日 20時