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* お 母 さ ん * ページ17

You side


30「何で転ぶかなあ」


『はい、すみません』


30「何で骨折までするかなあ」


『はい、申し訳ありません』




何で手術まで必要になるかなあ?ねえ?と嫌味たっぷりに陽平さんに言われる。




病院のベッドの上。雪道を普通に歩いたら、すてーんっと転んで、左足首がポキっと鳴って激痛が走った。ただ、日曜日。病院に行っても受診できないし、明日仕事が終わったら。と思って何とか出勤するも歩けない。




年の瀬ということもあって、トレーニングに来る選手はほとんど、と言うか陽平さんしかいなくて、すぐに異変に気が付いた陽平さんが病院に付き添ってくれて、今に至る。




30「雪道、本当気を付けなきゃダメだからって去年から言ってるしょ?」


『気を付けましたもん』


30「骨折までして気を付けたとは言えません!」


『はい……』




明日手術で、明後日退院でしょ?これじゃあ、A、実家に帰れないじゃん。てか、家の事も出来ないじゃん。どーすんの?と明日、図工で牛乳パック5個必要なの。といきなり言い出して、お母さんに、やんややんや言われている小学生状態。




『どうにかしま…』


30「どうにもできません!」


『はい』




俺がまだ実家に帰ってなかったから良かったものの、本当、1人だったらどうしてたのさ?と言われる。はい、ごもっともです。




30「完治するまで、Aは札幌の俺の家で暮らす事。いいね?」


『え、いや、それはー…』


30「いや、じゃない。これは強制」


『陽平さん、実家には…』




こんな状態のAを残して帰れないでしょ。え?バカなの?って。関西人にバカはダメです!何て言えるわけもなく、もう、はい、すみません。しか言えない。すみませんボタン欲しい。




じゃあ、俺、1回戻って荷物とか持ってくるから。と病室から出て行こうとするのを、とっさに陽平さんの服の裾を掴むと、おっと!とベッドに手をついて、どうしたの?と言われる。




『えっとー…』


30「ちゃんと戻ってくるから」




クシャクシャっと私の頭を撫でて病室を出て行く陽平さん。いや、ただ、ありがとうございます。って言いたかったんやけどな。




ポキってなった瞬間、骨折してるとは思ったけどボルトとプレート入れなきゃならないまでとは思わなかった。とりあえず、93年会は欠席。実家への帰省もキャンセル。




『ほんまアホやなあ』




.

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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O  
作成日時:2018年9月24日 20時

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