それはまるで魔法のように【５】 (ページ38)

今日:23 hit、昨日:7 hit、合計:190,632 hit

＊イケメン再来＊ページ38

西川 side

10「Aさん、大丈夫かな？」

7「大丈夫やろ」

ベルの音が止まり、＂東京ドーム利用者の皆さまにお知らせいたします。自動火災報知設備の鳴動箇所を確認したところ、火災ではありませんでした。＂とアナウンスが流れる。

33「火災やなかったんやな」

12「良かったですね」

33「剛？いい加減、離れてや」

しがみ付く対象をAから泰示さんに変更した剛が、またベリッと剥がされる。するとドッと疲れた様子のAがベンチに現れて、とと…と言いながら監督の前にへたり込む。

80「どうしたの？」

『火災じゃありませんでした。ただ」

80「ただ？」

『巨人のロッカールームで誤発報がありまして、原因が殺虫剤だったんです。で、選手が吸い込んだかもしれないので、巨人側の看護師さんと選手を診たいんですが、いいですか？』

80「そうなの？それは診て来てあげて」

ありがとうございます！と言い、こちらをチラッと見るA。剛、そんな怖かったん？と言われ、剛がそんな事ない！と強がる。

『緊急地震速報とかと一緒で恐怖心を煽る音だからしゃーないよ。怖いのは。』

ま、何か災害あったら守ったるから、安心し？と剛の肩を叩いて、もう直ぐしたら、またこっちに戻ってきます。と大将に伝えるA。気が付かなかったけど、ポロシャツの襟に無線を付けてる。何でや。と思ったら、いきなり喋り出した無線にベンチに座っとった俺を含めた選手でビクッとなる。

大隊長「《大隊長からA》」

『Aです、大隊長どうぞ』

大隊長「《現在、どの様な動きしてますか？どうぞ》」

『えー、現在…現同僚に自火報鳴動理由についての報告並びに火災の事実が無かったことについて報告。なお、許可が下りたので、資器材を持って再度そちらに向かいますから。どうぞ』

大隊長「《了解》」

伝令「《伝令からA士長》」

『どうぞ』

伝令「《カメラの充電が切れたので、現場離れます。どうぞ》」

『私の使用しているiPadを持って行くので、それで撮影後、転送します。それでよろしいか？』

伝令「《了解です》」

じゃあ行ってきます。と走りベンチから出て行くA。いや、久し振りにAのイケメンぶりを目の当たりにしたけど、あれは惚れるわ。

6「やっぱ、あいつ、かっこええなあ」

9「Aって呼ばれとったな」

7「待って。何であいつ無線持ってたん？」

.