＊ 非 常 時 の プ ロ ＊ ページ34
大田 side
33「で？仲良くなれたん？」
『はい！もうお陰様で』
7「誰やねん、��泰示さーん、見捨てないでくださいー！��って号泣してたやつ」
『え？剛やない？』
12「俺そんな事しないし」
勇人さんも菅野さんも優しかったやろ？と言うと、はい！めっちゃ優しかったです。慎吾が勇人さんに頭めっちゃ撫でられてて羨ましかったので、私も撫でてもらいました。エッヘン。と効果音が付きそうなドヤ顔で自慢するもんやから、可愛いな。と思い良かったな。と勇人さんに負けず頭を撫でる。
『泰示さんにも撫でてもらった！』
7「よっしゃ、遥輝さんも撫でたる」
12「じゃあ俺もー」
『剛は同い年だからいらない』
遥輝と一緒にAの頭をぐちゃぐちゃになるまで撫で回していると、突然、ジリリリリリッとけたたましい音がドーム内に響き渡る。
33「え？何！？」
7「めっちゃうるさいわ」
『あー、ドームで発報したか。面倒臭いんよねー』
剛が何でそんな落ち着いていられるんですか！と何故か自分より身体の小さいAにしがみつく。普通逆やろ。
9「え？これ何の音なん？」
『自動火災報知設備って言って火災を各室や廊下に設置している感知器が感知して、火事ですよー。って知らせる設備です』
12「おお！A、消防士っぽい！」
『こんなんでも元消防士やから』
近くにいた卓もこっちに来て、ドーム内で初めて聞く音に怖気付く４人のプロ野球選手と、聞き慣れていて、いつもどおりで何の焦りもないA。姐さんどっしり構えすぎや。
『ちょっと心配なので、防災センター行ってきますわ』
しがみ付いている剛をベリッと剥がし、監督のところに行って事情を話し、面倒臭い。と言ったオーラ全開で裏に歩いて行くAを見送る。
12「めっちゃ怖いんですけど」
7「A、あいつ面倒臭さ全開やないですか」
9「普通急いで行くんやないの？」
33「普通はな」
とりあえずベンチに行こうか。と言って４人で戻ると、遠くからサイレンの音が聞こえる。そうだよな。あいつはこういう非常時に活躍する仕事に就いてたんだよな。とふと思い出す。
10「あれ？Aさんは？」
9「防災センターってとこに行った」
10「え！？心配！俺も行ってき…」
33「優心、Aは非常時の対応に関してはプロなんやから、連絡があるまでは別行動したらあかん」
10「……はい」
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作者名：歌子(かこ) | 作者ホームページ：https://bit.ly/35Iex9O
作成日時：2018年8月31日 7時
