それはまるで魔法のように【５】 (ページ33)

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＊入れ知恵＊ページ33

石川 side

昨日、菅野さんが先にタクシーに乗って帰った後、家の方向がほぼ同じ勇人さんと一緒にタクシーに乗り込んだ。そん時もずっとAの話。

G6「お前さ、どれくらい好きなん？」

G49「あー、巨人来たくらいからっすね」

G6「は？長くね？よくそんだけ好きでいられるな」

しかも今は東京と札幌やろ？めっちゃ遠いやん。と意外と長いこと片思いしてたことにビックリされる。

G6「俺から見るとさ、お前、好きを拗らせてるようにしか見えへんわー」

G49「好きを拗らせてるって何すか？」

いや、俺の予想やで？好き過ぎて最早何をしたらええのかわからんちゃうの？とニヤニヤしながら勇人さんに言われる。確かに。嫌われたくない、この関係が崩れるんは嫌。断られたらどないしよ。とか色々考えたら行動できひん。

G6「軽い感じで言ってみらええんやない？」

G49「好きです。って？」

G6「あほ、好きです。って言ったら終わんで。お前も警戒の対象や」

好き以外で気持ち伝える方法なんてないやないですか！と言うと、ほれ、立派に拗らせとるやないか。と笑いながら言われる。

G6「軽い感じで、冗談っぽく＂俺ら付き合ってみいひん？＂って言ったらええんやない？」

G49「好きって言わんの？」

G6「好きなんて、付き合ったらなんぼでも言えるやん」

G49「あ、頭ええですね」

普段、パッパラパーやのに。と言うと、内海さんと一緒にすんなアホ！とど突かれる。そんな方法もあんねやなー。さすが夜のホームラン王って書かれただけあるなあ。

G6「何やねん。……お前、今、めっちゃ失礼なこと思ってたやろ」

G49「勇人さんって彼女いないんすか？」

G6「彼女？いないなあ」

俺くらいの年齢になると、結婚ってのを嫌でも意識せなあかんやん？俺、２４時間体制で野球やる俺のこと支えて欲しいから。中々そんな人いないやん。今の世の中。近寄ってくる奴なんて大抵下心あるしな。とどこか諦めたように言う。

G6「お前は？」

G49「俺は支えてほしいって思いますけど、相手も支えたいですね。Aと一時期一緒に住んでた時あったんですけど。あいつ、野球の知識は皆無やけど、医療の知識あるし、アスリートフードマイスターやし、食べる事、好きやからご飯上手いし、一通りの家事こなせるし、高校からずっと一緒やから何でもわかってくれて。あんなんがベストやな。って思ってます。」

G6「うっわー、胸焼けしそうやわ」

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