* カ レ カ ノ 感 * ページ32
菅野 side
『私、電車でホテルまで帰ります』
G6「気をつけや?」
『はい!明日の試合もよろしくお願いします』
智之さんも!と言われ、明日は俺、休みだから。と言うと、そうなんですね。と残念そう。会った時とはえらい違い。そして、名前呼び+さん付けで呼ぶ貴重な存在。
ごちそうさまでした。と駅に向かって歩き出したと思ったら、いきなりダッシュし始めた、Aちゃん。どうしたんだろう。と思えば、終電調べんの忘れたんやな、あいつ。と慎吾が言う。
G6「めっちゃいい子やん。翔が絶賛するんがわかるわ」
G19「勇人さんに近づく人なんて、下心しかないですもんね」
G6「ほんまそれ。見え見えなんがすぐわかるわ」
やから警戒されたん、ほんますっげー久し振りで逆に対応に困ったわ。と3人でタクシー乗り場まで足を進める。
G49「最初、どうなるかと思ってヒヤヒヤしました」
G6「あー、あれな?」
今、日ハムの大田泰示から連絡きてな、俺と智之に対して偏見持ってるから、それ取っ払って仲良うして欲しい。球界に知り合いたくさんいた方がAの為にもなるだろうし。って。
G49「そうなんですね」
G19「で?どうなんだよ」
G49「何がですか?」
あんだけカレカノ感、出しといて、まだ付き合ってません。とかあるん?と勇人さん。
G49「あるから、今、この状態なんやないですか」
G6「予定は?」
G49「未定っす」
G19「全然ダイナマイトじゃないじゃん。ダイナマイト、返納してこい」
G49「実際はデリケート慎吾ですもん」
確かにカレカノ感はすごかったと思う。実は見ていた廊下で慎吾に抱きつくとことか、すぐ慎吾に頼るところとか。貶しているけど本当は慎吾のことめっちゃ思ってるとことか、2人の絡み、短時間しか見てないけど、すげー伝わってきたもん。
G6「誰に言われようが実際決めるのAちゃんやからアレやけど。まあ、ちゃんと自分ってもの持ってそうやから、流されないのが救いやな」
G19「本人目の前にして堂々と悪口言えるからね」
G49「それは、ほんまにすいません」
俺の野球教育不足です。と慎吾が言ったところで現在地から一番遠い場所に住んでいる俺がタクシーに乗り込む。
お疲れ様でした。と言ってタクシーを出してもらう。目的地を告げて、見慣れた東京の街をぼーっと見ながら、人を好きになったの、いつが最後だ?と慎吾に触発され思い返してみる。
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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年8月31日 7時