それはまるで魔法のように【３】 (ページ50)

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＊選手会長命令＊ページ50

中島 side

『あ、卓さん！』

遥輝とアリゾナの市街地に買い物に行って、キャンプ地の自分の部屋に戻る途中の廊下でAちゃんに呼び止められる。

9「どうしたと？」

『優心くんの事なんですけど』

風邪で発熱してるので、一晩私の部屋で休養させますので、優心くん、今日、戻りません。と言われる。わかった。と答えると。食完してるみたいなので、早く食堂に来てください。と言うと、クルッと来た方向に戻ろうとする。

9「ちょっと待って！」

『何ですか？』

9「Aちゃんどこで寝ると？」

『自分の部屋に簡易ベッド設定して寝ますよ』

もしかしたら優心の風邪、映るかもしれんやん。と言うと、マスクして寝ますから。大丈夫です。と。救命士が１人しかいないって自覚してほしい。

9「Aちゃんも選手と一緒やから、優心とは別の部屋で寝ないかんよ」

『ほんなら食堂で…」

9「優心のベッド使ったらいいけん」

口が滑った。本当なら俺のベッド使ってって言って、俺は別の部屋で寝るから。と言えば良かったのやろうけど、咄嗟に出た言葉が＂優心のベッド使ったらいいけん＂や。

『選手のベッド使うわけにいかないです』

9「優心がAちゃんのベッド使っとるけん、Aちゃんが優心のベッド使う権利ある」

『いや、でも』

9「はい、これ。選手会長命令やから」

『こんな時だけ。職権乱用やん』

9「こうでもせんと、ちゃんとした寝床確保せんのやろ？」

そんな事ないです。とプイッとそっぽを向きながら言うAちゃん。選手のベッドを使うのは少し躊躇いがあるんやろうけど、明日はAちゃんやって練習や。

9「４０１号室やから。ちゃんと来るんよ？」

『はーい』

卓さんも早く荷物置いて、夕飯食べてくださいね。食べ終わったら、各部屋にバイタルチェックに伺いますから。と今度こそ来た方向に戻る。選手会長命令とか…ばり公私混同やん。

30「選手会長命令…ねえ？」

9「うわ！…お前、いつもいつもタイミング良すぎるけん。絶対見とるやろ」

30「俺が通るところに卓がいるんじゃん」

9「どっちでもよか！」

俺の大事な妹、汚さないでよ？まあ、卓ちゃんヘタレだから無理か。と茶化される。そんなん、付き合ってもない女の子、手ェ出したりせんわ。と返すと。どうだか。と言われ、鍵谷は自室に戻った。

【マシュマロ】投げお願いします。

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