* お 味 噌 汁 * ページ48
清水 side
『38度2分。今日はゆっくり休もうね?』
10「はーい……ごほっ」
アリゾナキャンプお休みの日。朝からだるいなぁ。と思って食堂に行くと、剛さんとAさんが朝ごはんを食べながら1つの携帯を一緒に見ていた。
10「おはようございます」
12「おはよう」
『優心くん。おはよ』
一緒にご飯食べよ。とAさんが隣の席のイスをポンポンと叩く。ご飯、取ってきまーす。と言って栄養士さんのところに行ってご飯をもらい、Aさんの隣に座る。
10「どこか行くんですか?」
『アッパーアンテロープキャニオン』
12「今なAの携帯でどうやって行くか調べてたんだ」
優心も一緒に行く?と剛さん。ええねえ!優心くんも今日何にもないなら一緒に行こうや。とAさん。何にもないので一緒に行きたいです。いただきます。とご飯を食べ始める。
『優心くん?ちょっとこっち向いて』
10「何です、か…!?」
こっち向いてと言われたからAさんの方を向いたら、Aさんの手がおデコに当てられる。あ、冷たくて気持ちいい。
『あちゃー、ダメやん』
熱あるやんなあ。声も鼻声やし。明日も練習なんやから今日はゆっくり休もう?と小さな手で頭を撫でてくれる。
『ご飯は?食べられる?』
10「あんまり食欲ないです」
『食べられるやつだけでええから。あ、お味噌汁はちゃんと飲むんやで?あ、具は無理に食べんでええから』
常備薬持ってくるから、剛、ちょっとよろしくね。と席を立つAさんを見送り、言われた通りお味噌汁を飲む。
12「優心、大丈夫か?」
10「大丈夫です」
俺はしっかり休みますから、Aさんとアッパーアンテロープキャニオン行ってきてくださいね。と言うと、後ろからスパーンッと叩かれた。
『優心くんはアホなんですか?』
12「もう1日休みあるんだから、その時に一緒に行こうよ」
10「でも、前から約束してたんじゃないんですか?」
『あのね?優心くん。これが、私の本来業務なの。わかるかな?剛も言ってるやろ?観光はいつでもできんねん』
熱測るで?といつもの様に耳に体温計を当てられ、38度2分やね。と冒頭の会話に戻る。はい、口開けて。と言われ、あーっと口を開けると、ライトを照らしながら、扁桃腺も腫れてるやん。風邪やね。と。
『優心くん、誰かと部屋一緒なん?』
10「卓さん」
『あー…移ったらまずいなぁ』
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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年8月10日 11時