＊ 忘 年 会 ＊ ページ29
上沢 side
新初富駅前でAの車を降りると、剛が忘年会しよ！と提案してきたから、みんなで鎌ヶ谷で練習とか試合した後によく行ってた店に向かう。
何名様ですか？と聞かれ、４人です。と答えれば奥のテーブル席に通される。
12「今年も９３年会楽しかったです。来年もよろしく」
はい、かんぱーい。と４人でビールの入ったジョッキをコツンと鳴らして、グビグビ飲む。あー、うまーっとこんちゃん。
15「こんちゃん、今日、めっちゃAにしごかれてたもんね」
8「痛くて死 ぬかと思ったわ」
12「でもさ、A救急救命士だっけ？だから身体の仕組みとかスッゲーわかってる感じで痛かったけど、効果すごいあったわ」
球団のトレーナーさんがダメって言ってるわけじゃないけどさ。と結局、Aの柔軟の餌食になった剛が先に来た枝豆を食べながら話す。
8「面倒見もいいしさ、人柄もいいし。ファイターズのトレーナーとかならないかな」
G49「無いやろ」
8「何で？」
あいつ、札幌で飲んだ時��福利厚生がしっかりしてる職場にしか興味ないねん��ってハッキリキッパリ言うてたもん。と必要におしぼりでジョッキの汗を拭く慎吾。
12「そんなの慎吾が早くプロポーズして、Aと結婚したらいいじゃん。」
15「いや、まだ好きとも言えない奴がプロポーズって、無理でしょ」
8「Aがファイターズのトレーナーで、慎吾がＦＡで戻ってきたら、すっげー楽しいと思う」
G49「そんな夢のまた夢の話したっておもろないで」
で？いつ告白するの？とこんちゃんが１番聞きたかったことを聞くと、せやなぁ。とビールを飲んで言う。
G49「ダラダラ好きでも仕方ないと思うねん。来年には言おうかなって考えてる」
15「さっき、自主トレ付いてきてって言ってたもんね」
G49「聞いてたん？」
12「ばっちり」
来年って随分と漠然としてるよね。とバッサリ切ると、今年、全然一軍で活躍できなかったんやもん。こんな燻って終わったシーズンの後に、告白できひん。情けないやん。と慎吾の中でも色々と考えているようで。
15「前も言ったかと思うけど、慎重になり過ぎて何にもしなかったら、すぐに持っていかれるよ」
12「あの卓さんが北海道と千葉の遠距離で全く会えてないのに、好きなんだから、相当、卓さん本気だよ」
G49「あああ、この後、卓さんと遥輝さんとご飯食べに行くって言ってたわ！どないしよ」
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作者名：歌子(かこ) | 作者ホームページ：https://bit.ly/35Iex9O
作成日時：2018年8月10日 11時
