それはまるで魔法のように【２】 (ページ8)

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＊ヤンキー＊ページ8

中島 side

まさか、朝比奈さんから話をしてくれるとは思ってなくて。顔とか特徴とかは大将から聞いた情報しかなくて、１人で探すなんて不可能に近かった。ただ…今、目の前にいる女の子が、あのAAさんってことは事実で。

会って直接お礼を言いたい。ってずっと思っとったけど、いざ、その場面になると、ありがとう。しか言葉が出てこなくて。ああ、俺はいつからこんなに女々しくなったんかな。

『本当、会えると思っていませんでした。』

もう、私は中島さんが社会復帰したことが本当に嬉しいです！ありがとうございます！私、花の気分ですよ。とわけわからんことを言い始めた。

9「花って誰？」

G49「あれやろ？おおかみこどもの雨と雪のお母さん。」

『そうそう。狼として生きることを決めた雨が山に巣立って。その雨に向かって＂元気で、しっかり生きて！＂って。』

あのシーン思い出しただけで、もう泣きそうやわ。とおしぼりを目に当てて、すでに泣いてる朝比奈さん。何やっけ？おおかみこどもの…？明日、休みやしDVD借りて観よ。

30「てか人工呼吸、拳士さんがやったんですね」

9「…うわぁ」

2「おい、うわぁ。とか言うなって。俺だって頑張ったんだよ？」

7「卓さん、大丈夫っすよ。口にカバーみたいなん被せてからの人工呼吸でしたから」

『遥輝さん、レサコ。レサコ。』

7「それな」

『しっかりしてくださいよー、１番助手なんですから』

7「覚えてたん？」

『そりゃ覚えてますよ。遥輝さん、私のことめっちゃ警戒してたやないですか。あ、無事に靴は買いに行けたんですか？』

7「行くわけないやん。え？アホなん？」

『はあ？何でアホ呼ばわりされなあかんのですか！？』

遥輝と喋っている様はまるで兄妹。良い意味で俺らの事を特別扱いしない感じがすごく心地よい。やからなんやろな。遥輝も慎吾も仲良くなれんのは。

『あ、中島さんに渡さなあかんものがあるんです。』

G49「何？連絡先？また新手のナン…いったい！なんやねん！」

『何やねん、ちゃうわ。ほんま、うっさいねん。また急所どつくぞ。あ？』

G49「もう、お前ヤンキーやんか、そのやり口」

『話し、進まんねん。まじ黙れ。』

慎吾が隣から茶々入れるもんやから、全然話が進まん。俺、忘れられてるんやないか……と心配になっていたら、これ。と見覚えのあるネックレスが机の上に置かれた。

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